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【ドイツの中学校】職業体験に向けて

我が家の長女は日本の学年でいえば、中学校3年生。
ドイツの学年の区切りは、夏休みなので、日本でいう小1の夏休み明けからドイツの小学校の1年生になった。
今、ギムナジウムの8年生だ。

多くのギムナジウムが9年生前後と11年生で職業体験を実施する。
受け入れ先で重複しないように、地域内の学校で時期は前後する。
長女の学校は9年生の春休み前後だが、隣の学校は秋休み前後と半年近く差があった。

この準備を1年前から始めた。
職業についてのレクチャーがあり、履歴書や応募書類の書き方の指導が少しあった。

そう、ここが日本とドイツの大きな違い。
生徒たちは、自分で体験先を見つけ、応募しないとならない。
日本の学校でも職業体験的なことがあるようだが、日本では学校がお膳立てした選択肢の中から選んでいくようだ。
しかも、短い!
ドイツの9年生の職業体験は2週間だ。

公立中学校で職場体験学習を実施しているのは98.4%で、実施学年は「2年生」が86.5%を占めている他、職場体験の日数は「3日」が39.1%、「2日」が31.3%などとなっています。ほとんどの生徒が、2年生で2・3日間程度の職場体験を実施しているといえます。都道府県・政令指定都市別に見ると、実施率が100%というところは、兵庫県、横浜市など11県12指定都市となっています。

https://benesse.jp/kyouiku/201601/20160107-1.html


現代的だと思ったのが、応募の手紙(メール)の文章をAI(ChatGPT)を使用して書くことになっていたこと!
ツールをどうやって使いこなすか知るのはいいことだと思う。

何が分からないことがあったときに、家族や先生などに聞くのと、インターネットで調べるのは結果が異なることがある。
でも、いつでも希望通りのツールが使えるわけでもないし、より正しい答えを知りたいのか、より自分にふさわしい答えを必要としているのかで、聞く人が替わったりする。

AIで言えば、どんなキーワードを入れるのか、どんな指示をするのかで、出てくる答えは変わってくる。
やはりそこにはある程度の訓練が必要になってくるのだと知った。

ドイツでは当たり前の制度なので、大きな企業になれば、担当者がいて、四六時中受け付けている。
希望するところに入りたいなら、1年前から活動しないとならないらしい。

しかし、長女は停滞中。
何をしたいか分からない、という。

質問されるのでない限り、手伝うべきでないと思っていたので、放置していたが、夫がまずいんじゃないかと言い出したので、夫をなだめるために少し援助する。

まずは、将来の希望を聞いてみた。
しばらく前までは客室乗務員になりたいと言っていたが、「何もしたくない」に変わっていたw
でも、何もしないと死んでしまう(食べられなくて)としたら、何をしたいというと、やはり客室乗務員と。

正直、全く長女に向いていないと思うんだけど、それを知るのにも職業体験は有効だろう。
ただ、2週間ぽっちの職業体験でフライトには乗せてくれない!
だから、仕事の内容を切り出させた。

1つ、飲食などを提供する。
1つ、セキュリティーの仕事(保安要員)。
1つ、販売などもする?

とのことだった。
このうち、飲食と販売は、それぞれ地上に山ほど店があるので、応募は可能だ。
セキュリティーについては、そういう会社のオフィスワークなら可能性はあるかもしれないが、実際に現場に行くというのは、安全上の理由から受け入れられないだろう。

長女は大したレベルではないが、日本語が話せるので、日系のレストランで働いてみるというのは選択肢の1つだと伝えた。
それから、航空会社にちょっとでも近くというなら、空港内のレストランやショップも可能だろう。
空港はうちからバスで15分くらいなので、通勤も便利だ。

実際に働いてみることで、自分の日本語は大したことないと実感したり、英語で話すのが面白かったからもっと頑張ろうと思ったり、自分にはサービス業は無理だと実感することがこの職業体験の目的だと思う。

私が日本語を教えている生徒の学校では、9年生での職業訓練は大卒でつかない仕事の体験を、11年生は大卒でつく仕事の体験を、と分けられているらしい。
ギムナジウムに行っている子はほぼ大学に進学するので、意味ない!と憤慨していたが、視野を広げる(下々の暮らしを知る?!)のはいいことだと思う。
結果としてエンドユーザーというか、普通の人が対象となる仕事は多いからだ。

とりあえず長女には、日系レストランがいいなら、日本語の応募書類も作らないとならないこと、住所を調べて、通勤経路について確認すること(あまり遠いのは現実的ではないから)、それでメールアドレスを集めることを指示した。

夜になって進捗を聞くと、ホームページは見たけど、メールアドレスが全然ないというので、求人サイトを教えた。
日系の飲食店ではよくバイトを募集しているからね。
あるところにはあるんだよ、情報は!

長女には試練ではあるけれど、いつかは応募というものをしなくてはならないのだから、それも含めての職業体験はいい経験になるだろうと思った。
そして、日本で職業体験があるのは知っていたけれど、実情はたった数日だということで、改めてドイツの制度のよさを感じた。

最終的には体験後にレポートを作っての発表が控えている。
どうやら成績もつくらしい。(何の科目?? 科目じゃなくて、クラブ活動とかの欄かも?)
反面教師ということもあるので、どんな経験でもいいから、将来の選択につながる経験ができるとよいと思う。



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