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散文詩『回転』

この構造は無数の部品と歯車でできている、
その全貌を見ることは誰にもできない。
なぜなら静かに動き続けるその不気味な機械は
宇宙の端から端までを埋め尽くしているからだ。
自分がいる場所以外は無表情な機械たちに
取り囲まれているために身動きすらできない。
すり潰されそうになりながら、
許される範囲で視線を動かし、
自分が置かれている状況を把握しようとするが、
歯車たちは黙りこくったままだ。
だからその機械が何を目的として動いているのかすら分からないし、
実はワレワレ自身がその歯車の一つなのだが、
ソレすらもワカラナイ

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