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ブロックチェーンってなに?今さらだけど、知りたいブロックチェーンの基本

こんにちは。最近は、AIや5Gなどの最新のテクノロジーを身近に感じることも増えてきました。これらテクノジーが進化していけば、いずれマイノリティーレポートのような近未来世界だって実現できてしまうはずです。

この中国のブラックテックは、正直怖いな、と思いますね。AIやドローンに監視されて、悪さができない世の中。いや、悪さするつもりはないですが、、知らず知らずのうちに自分が誰かに見られているというのは気持ちのよいものではないですよね。

個人的には、こうした最新のテクノロジーは好きでいろいろと調べたりしているのですが、どうしてもなかなか理解できていなかったのが、『ブロックチェーン』。

「塊の鎖???これってビットコインとかでよく聞くから、仮想通貨の呼び名なの?何がそんなに革新的なの?」と、全くもってちんぷんかんぷんでした。

ただ、日本でもグローバルにみてもブロックチェーンは幅広い分野で活用されていきそうです。
経済産業省の試算によると、日本国内のブロックチェーン関連の市場規模は67兆円に達する予想がたっています。
それは仮想通貨の分野だけでなく、流通やシェアリングエコノミー、不動産分野などにも応用できる技術だということがわかり、注目がされています。
経済産業省はそうしたブロックチェーン技術を発展させるべく、ブロックチェーンを活用している事業主に対する補助金を採択することを発表しました。

今回は、そんな『ブロックチェーン』について、まとめてみました。
これを読めば、「ブロックチェーンとはこういうものだよ」と他人に説明できるぐらいの基礎知識はつくかと思います。


■参考書籍のご紹介

今回の記事において、主に下記書籍を参考にしました。これらを読めばブロックチェーンをもっと深く知ることができると思うので、興味ある方はご覧ください。

※ちなみに上2つはKindle Unlimitedに入っていれば、読み放題で読むことができるのでおすすめです!

■ブロックチェーンとはなにか?

まずはブロックチェーンの定義を確認しましょう。こちらは日本ブロックチェーン協会が定めている定義です。

1)「ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率が0へ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンと呼ぶ。」
2)「電子署名とハッシュポインタを使用し改竄検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンと呼ぶ。」

これだけでは、よくわからん・・・ですよね。

まず、ブロックチェーンの「ブロック」はデータをいれておく箱です。例えば、仮想通貨でいうと取引のやりとりの履歴(データ)をその箱に記録させます。それが、連続的に連なってデータが更新されていくからブロックチェーンと言われています。

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ブロックチェーンには、いくつかの特徴があり、それを実現する技術があります。

【ブロックチェーンの機能的特徴】
・データは複数の参加者に確認されルールに従った書式のものだけが記録されること
・参加者全員によって合意されたデータだけが有効となる約束で運用されていること
・耐改ざん性のあるデータ構造(ハッシュチェーン構造)を持っていること
・改ざんしようとすると即時検出され、そのデータが破損していると認識されること
・破損データは正常なデータを持つほかの参加者から取り寄せて自動復旧できること
・一度書き込まれたデータは変更も削除も誰にもいっさいできないこと
 ・システム全体を止めることは誰にも不可能なこと
引用)いちばんやさしいブロックチェーンの教本

簡単にいうと、
ブロックに一度記録されたデータは、変更することも、削除することもできず、不正を働き改ざんすることもできない。そして、システム内にいる参加者全員にデータが共有・公開されている分散型のネットワーク」であるということです。

データが常にそのブロックチェーンのネットワークに属している参加者に共有されており、例えばどこか1つのブロックの取引データが改ざんされたとしても、そのあとのブロックには改ざん前の取引データが記録されているので、もし改ざんするなら、連なるすべての取引データを改ざんしなければいけません。これをおこなうことはネットーワークが全世界に散らばっていれば、不可能に近しいです。

今までのデータの保有の仕方は、例えば銀行などのように信用のある機関にお金を預けて中央集権型のネットワークを構築しておりました。
ブロックチェーンはその逆で分散型ネットワークと言われています。中央に管理する機関や人はおらず、それぞれの参加者でそれぞれのデータを共有しているため、システム障害も少なく、権限が1箇所に集中することもない新しい技術なのです。

■仮想通貨=ブロックチェーンではない

よくあるのが、仮想通貨(ビットコインなど)=ブロックチェーンでしょ、という勘違い。仮想通貨はあくまでもブロックチェーン技術を応用してできた仕組みであり、ブロックチェーンそのものではない、ということを改めて認識しておきましょう。かくいう、私も同じ勘違いをしておりましたw

今回の記事では、仮想通貨の説明は省きますが深く理解されたい方は下記書籍が参考になります。

■ブロックチェーンを支える技術

下記3つの技術を把握しておくと良いと思います!

【分散型台帳技術(DTL)】

ブロックチェーンは、中央集権的に特定の管理者を置かず、多数のユーザーが管理や監視を行う「分散型台帳」の形態を取っています。
分散型台帳の場合は特定の管理サーバーは存在せず、数あるユーザーの一つ一つの端末に取引を記録した台帳がすべて保存されており、その情報はネットワーク上で誰でも閲覧することができます。
引用)https://bitdays.jp/blockchain/

こうした分散型のシステム構造を持っているのが、ブロックチェーンです。
2台以上のノード(ネットーワークに接続されたPC)で通信することで、データを共有し合い、たとえ一部が故障をしても全体には影響が出ない構造をもっています。
これをP2P方式といいます。(Peer to Peer)

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引用)いちばんやさしいブロックチェーンの教本

あるノードが故障したとしても、別のノードが同じブロックチェーンのデータを持っているので、他にはなんら影響しないようになっています。

【暗号化技術】

メールのやり取りでも、銀行の取引情報でも今はネットワーク上のやり取りには暗号化技術が使われています。自分のやり取りの内容が他人に勝手に見られてたりしたら嫌ですよね。こうした暗号化技術は日常に溢れているのですが、ブロックチェーンでよく使われているのが、「公開鍵暗号」といわれるものです。

公開鍵を使用して暗号化したデータは、秘密鍵によってのみ復元させることができます。


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引用)いちばんやさしいブロックチェーンの教本

また、ブロックチェーン技術の中で最も重要なのが、「ハッシュ関数」です。ハッシュ関数は任意の元データを別の値に変換する関数です。これにより、元データの内容が暗号化され、他人が内容を見てもわからなくなります。
ハッシュ関数は、元データが1文字でも違えば、全く別の値を生成します。ゆえに、ハッシュ関数から生成されたハッシュ値から元のデータを予測することは不可能です。

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ハッシュ関数にもいろいろと種類があるのですが、複雑なのでここでは省きます。
つまり、ハッシュ関数があることで、他人に自分のデータを閲覧されることはない、と覚えておけば大丈夫です!

【コンセンサス・アルゴリズム】

中央集権的な管理者が存在しないP2Pネットワークにおいては、システムを保つために意見が食い違ったときに矛盾なく合意を得ることが困難です。特に不正をはたらく意図をもつ参加者がいる場合には非常に困難になります。そのような状況下でも合意を取る方法のことをコンセンサスアルゴリズムといいます。
引用)https://bitflyer.com/ja-jp/glossary/consensus_algorithm

何か問題がおこった時や新しいことを決めるために、P2Pネットワーク内における合意形成の方法を決めておく必要があり、それをコンセンサスアルゴリズムといいます。

現在使用されているのは、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)などがあるのですが、広く浅く理解されたい方はあまり覚えなくてもいいかもしれません。
とくにかく、みんなで確認するための合意形成の方法が決められている、と認識ください。

■ブロックチェーンの種類

ブロックチェーンには2種類が存在しています。

①パブリック型 (パブリックチェーン)

誰でも自由にノードを立てることができ、自由にネットワークに参加することができます。中央集権ではなく誰でも参加できるので、そのノードを運用してくれる人に運用報酬として何かしらのインセンティブを与えネットワークがうまく稼働するようにしています。その代表例がビットコインなどの仮想通貨です。

②プライベート型(プライベートチェーン)

ネットワークの参加者が限られており、参加するには承認が必要など、ある一定の条件が定められています。こちらは管理者が存在しており、多数決型の合意がとられることがあります。ノードの運用者にインセンティブを与える必要はありませんが、運用コストが高くなる傾向にあります。

■ブロックチェーンの応用

ここまでは、ブロックチェーンの基礎的な話でした。これらの技術・仕組みを利用して仮想通貨以外にもさまざまな分野でブロックチェーンが活用されて出しています。その代表的な事例をいくつかご紹介します。

【物流・流通分野】

物流の現場では、紙の書類のやり取りや管理が多く発生しており、また利害関係者が多く存在し、適切なデータベースへアクセスして情報を確認していく必要があります。このような中で、改ざん不可能なデータを記録・共有しあえる、ブロックチェーンの活用が期待されています。
日本ではNTTデータがブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携基盤の実証事業を開始しました。

また、生産者から消費者までのサプライチェーンにおける物の流れをブロックチェーン上に記録する活用方法もあります。こちらもまだ実験段階ではありますが、いずれ市場に出回りるようにテストをおこなっているようです。

【広告分野】

クーポンやポイントなどにもブロックチェーンは活用できます。例えば、獲得したクーポンを自分が利用しない場合は、そのクーポン自体を別の人に譲り、クーポン自体が流通していく仕組みを作ることができます。

また、インターネット運用型広告における手数料配分の透明性、アドフラウドへの対策など、より健全とした広告運用を行うためのブロックチェーン活用も進んでいます。詳しくは下記をご覧ください。

【証券分野】

有価証券のような移転する性質をもつ証券についても、ブロックチェーンとの相性が良いです。証券の売買の場合、売買が成立したあとに異なるエンティティ間で情報を確認・連携する作業があり、最終的に決済期日において資金と証券を決済して記録するという処理をしなければいけません。この処理においてブロックチェーンが有効に活用できると考えられています。

参考)JPX 証券業界におけるブロックチェーンの活用に向けた検討と
オープンイノベーションの推進
https://www.jpx.co.jp/corporate/research-study/working-paper/tvdivq0000008q5y-att/JPX_working_paper_Vol26.pdf



以上がブロックチェーンの簡単な説明になります。

非常に難しく捉えがちですが、革新的な新しい仕組みであり今後さらに応用が進んでいくと考えています。私自身も今回改めて勉強をしてみて、ブロックチェーン技術が生み出す未来に非常にワクワクしています。


ご覧いただき、ありがとうございました!


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