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大阪のおばちゃんが地域を守っている話

私はこう見えて(どう見えてるか知らないけど)大阪生まれ、大阪育ちです。母は東京の人で、結婚と同時に父の仕事の都合で大阪に引っ越してきて、そのまま50年が経ちましたが、ずーっと標準語をしゃべっている強者。

そんな東京が抜けない母でも、中身は立派な大阪のおばちゃんだな~と思う今日この頃。

私は関西以外に住んだことがないので、他のエリアのおばちゃんの生態を知らないのですが、本当に大阪のおばちゃんはおせっかいです。それは、世間一般的なイメージとさほど遠くない、愛すべき大阪のおばちゃんについて今日は書きたいと思います。


大阪のおばちゃんはバスの中で話しかけてくる

ポイントは電車よりバスの方が、格段に確立が高いことです。たぶん、おばちゃんにとってバスの中は、ご近所の人が乗っているくらいの感覚なんでしょう。

子連れだと話しかけられます。子どもが一人でバスに乗るようになると話しかけられます。おばちゃん同士になると、旧知の仲のようにしゃべっていても、実ははじめましてなんてこともあります。

中学生の娘はバス通学なのですが、本を読んでいると「難しい本を読むんだね~」と話しかけられ、珍しい時間帯に乗っていると「今日は学校どうしたの?」と話しかけられ、学用品以外のものを持っていると「それ何に使うの?」と話しかけられ。

たぶん、おばちゃんは思ったことを口に出さないと生きていけない生態なんだと思います。

大阪のおばちゃんはアメちゃんを配る

さすがにコロナ禍になって、見知らぬ人にアメを配る人は激減したと思いますが、コロナ禍前は本当によくありました。

コロナ禍になってからも、お友達に配るようにアメちゃんを持ち運ぶ文化は健在のようです。カバンの中には、個包装のお菓子が常備されています。そして、母の部屋を片付けていると、配り損ねたお菓子が出てきます。

もらったら返すのが礼儀というおばちゃんの気持ちが、お菓子交換会に発展するんだろうと思うと、贈り物にはお返しするという日本文化が脈々と受け継がれていることを実感します。

大阪のおばちゃんは地域の子供たちを見守る

住んでいる市の小学校は、集団登校で行くことになっています。毎朝、決まった時間に、エリアごとに子ども達が集まります。その集まり、見送りに来た保護者以外にも、子どもがいるわけでもない地域のおばちゃんが出てきて、一緒に見送ってくれるのです。

地域の役目としてベストを着て旗をもって立って下さる方たちもいるのですが、それとは別に純粋に本人の厚意で出てきてくれる人がいるんですよね。子ども達を見送ったあと、少し立ち話をして、一日がはじまるというルーティン。

子どもの顔を知ってくれている人が、地域にいる安心感って大切だなと思います。

大阪のおばちゃんの地域を見守る要

そんなわけで、大阪弁は一向にしゃべらないのに、大阪のおばちゃんの生態を発揮している私の母は、今日も地域の様子を気にして生きています。

「いつも犬の散歩をしていたあの人に最近会わない」とか
「雨戸が締めっぱなしでおかしい」とか
「あの家の庭の手入れが最近滞ってる」とか

近所のお年寄り(母も年寄りの年代ですが)に異変がないか、いつも気にして歩いているのがよくわかります。その様子を見ていると、その家の人が生活している様子が、外に伝わる間取りって大切だなと思います。

いっぽうで、身の回りで新しい家が建つと、そのデザインがとても気になることがあります。

プライバシーを気にしすぎて窓のない家。
不在がちだからか雨戸が締めっぱなしの家。
住んでいる人の顔を見たことのない家。

人づきあいが面倒なのものわかります。探られすぎるのを不快に感じる気持ちもあります。でも、大阪おばちゃんのおせっかいで、不慮の事故を防ぐことがあるものも事実。

街に背を向けた家より、

ほどよく街とつながりのある家。
なんとなく気配の感じることのできる家。

そんな家づくりがいいな、と思っています。

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