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歌舞伎町のキャッチが昼職に復帰するまで。-出会い編-

初めまして。
僕は現在23歳で職業は「歌舞伎町でキャッチ」をしております。
このnoteでは、夜職の僕が昼職で社会復帰を果たすまでの経緯を自由気ままに綴ろうと思います。

Q:なぜ歌舞伎町でキャッチを始めたのか?

理由はシンプルです。

A:楽に稼げるから。

これに尽きます。

僕はこの仕事を始める前、教育系の会社で資料作成の仕事をしていました。
仕事内容はパワーポイントやエクセルで資料を作るだけ。

社長にコキ使われ、深夜までたくさんの資料を作り上げる。
社長と同じマンションに住んでいたため土日も社長の気分で呼び出され、
買い物を頼まれたり、仕事の話を永遠としている。

自分の時間はどこにある?

ふと疑問に思いました。
休日はもっと読書したり映画なんかダラダラと観たりしたい。

自分の人生をここに捧げるのか?

正直、社長を尊敬していましたが自分の時間の方がよっぽど大切だと気づきました。早くインターンを辞めたい。

そして、こう思います。

もっと自由に楽な人生を送りたい!

これが当時の僕(大学2年生)の素直な意見でした。

インターンを辞めて早速僕は次の仕事を探すことになります。
たまたま、引越しなどをしていて無料で家具がもらえるジモティという地域密着型サイトを利用していてなぜか「アルバイト」欄があり興味本位で見ていると、

・在宅ワーク 月収50万円から!
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などと、目を惹かれる求人がたくさんあったのです。もう少し読み進めてみるとこの求人に僕は人生を変えられました。

☆都内でアンケート調査☆ 〜月収100万円超え続出!!〜

内容は、以下でした。

・女性の好きなブランドは?
・居酒屋に行くとしたら?
・流行りの洋服は?
などを聞くだけの簡単なお仕事です♪

いや、そんな簡単な仕事今すぐやりますよ。

そう思った僕はすぐにAさんへ連絡を送り、待ち合わせ場所を指定される。
大学2年生だった僕は何もわからないままノリと勢いで行動していた。

その指定先は今まで大学の飲み会でしか行ったことない場所であった。

東洋一の繁華街「歌舞伎町」である。

歌舞伎町一番街

僕は今までで1~2回しか踏み入れたことがなかった。
それもサークルの飲み会でTOHOシネマズの前までしか行ったことがなかった。
僕の歌舞伎町に対するイメージはこうだ。

・人生がダメになったヤツらが行き着く底辺の街
・ぼったくられる街
・ヤクザ、ホスト、キャバ嬢、風俗嬢がいる街

正直、縁もゆかりもない街である。

待ち合わせのTOHOシネマズ前に行く間にキャッチに声をかけられたり、
肌が黒いお兄ちゃんが横一列に連なり街を歩く人を舐めるように見定めている。

小便がチビりそうになるくらい怖いぞ。

でも引き返すわけには行かず、興味本位で話だけ聞こう。
としばらく待っていると現れたAさん。

Aさん「初めまして!Aです!よろしくお願いします!」

よしの「あ、よろしくお願いします。」

Aさん「早速ですが、カフェで内容話します!」

よしの「はい!よろしくお願いします。」

ガタイはラグビー選手のようで胸板が厚い。
イケイケなお兄さんだ。
眼光は鋭くて常に威圧感を感じる。
極め付けはサイドを刈り上げて横から髪をジェルでガチガチに固めているそのヘアスタイルだ。

明らかに今までで接したことのないタイプであることは間違いない。

Aさん「なんか飲みます?」

よしの「ブラックで!」

Aさん「よしの君笑顔いいし女の子受けしそうだよね!彼女いたの?

よしの「そんなに褒めていただくことはないので嬉しいです!
まあ、1人しかいたことないですけど。」

Aさん「そっか!じゃあこの仕事は一番いいかもね!」

よしの「そうなんですか?どんな仕事なんですか?」

Aさん「求人では言えなかったけどキャッチです!」
「町中の女の子に声をかけてホストクラブに案内する仕事です!」

よしの「へえ、そんな仕事があるんですね!」

正直、捕まるイメージしかなかった。
キャッチなんて絶対についていきたくないし、飲み会の際も必ずホットペッパーで予約をする派だ。

Aさん「とりあえず、物は試しで体入してみる?」

ここでタメ口に変わるAさん。

よしの「そうですね!やってみます!」

断りづらい雰囲気もあったのとお金がなく時間もたくさんあったので体入だけやってみて合わなかったら連絡ブロックして飛ぼう。
そう思って実際にやってみました。

Aさん「じゃあお会計するね!」

よしの「あ、いくらですか?」

Aさん「いや、いいよ!俺払うから。」

よしの「いいんですか?ありがとうございます!」

そう言って僕の目の前で財布を開くと、
福沢諭吉さんが二つ折り財布の中にパンッパンに入っている。
閉まらないんじゃないかと思うくらいギッチギチだ。

本当にこの仕事は稼げるのかもしれない。

よしの「コーヒーごちそうさまでした!」

Aさん「いえいえ!これからよろしくお願いします!」

あれ?これからよろしくお願いします?
早くない?

そんな不安を感じながらカフェを後にするのだった。

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