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Photo#1, 写真をはじめった理由

ダグラス・ダンカンとの出会い

写真を始めたきっかけはダグラス・ダンカンというおじいちゃんの動画を見たこと。もっと言うと、その動画を僕に見せてくれた先輩エンジニアでいつもカメラを持ち歩いているペンギン師匠(通称)がきっかけだ。

デビッド・ダグラス・ダンカン(David Douglas Duncan、1916年1月23日 - 2018年6月7日)はアメリカの報道写真家。太平洋戦争においてはアメリカ海兵隊予備役、朝鮮戦争、ベトナム戦争においては従軍写真家として活動。太平洋戦争終結となる戦艦ミズーリ上での日本の降伏文書調印の様子の写真や、パブロ・ピカソのポートレート写真、およびピカソ作品の写真集で知られる。また、日本光学工業(現:ニコン)製カメラおよび同社製レンズ「ニッコールレンズ」を世界に広めた立役者としても知られる。

https://en.wikipedia.org/wiki/David_Douglas_Duncan

カメラの購入直前

動画を見終え、「日本に誇れるストーリーがここにある!」そう確信して彼がもっていたこのカメラが何かペンギン師匠に尋ねると「Fのフォトミック」だねと返答。「これって買えるんですか?」「買えるよ」「じゃ、今から買いに行きましょう。」「いいよ。でも初心者向きではないかもし・・・」「大丈夫です!」という感じで強引に中古カメラショップへ連れて行ったもらった。

このじーさんカッケーな。Fの兄貴

プログラミング<カメラ

すぐにプログラミングを辞めた。というのも動画を見る前はペンギン師匠からプログラミングを習っていた。いや習い始めていた。「これからの人生エンジニアスキルつけておかないと死ぬよね・・・」という危機感もあり、「よし、この人をメンターにしてやっていくぞ」と思った初日だった。

人生は狂った。

10人中10人がカメラ<<<プログラミングやる現代においてデジタルならまだしもフィルムカメラをやることを決断したのだから。

この件については、1人のおじいちゃんの動画で魔がさす僕も悪いが、魔を指してきたあっちも悪いと思っている。ただ人間は時として「これだ」という直感に出会う。これを信じて突き通すことにおいて失敗したことはない。だから今回も即日カメラを購入することにした。

アンダーグランドなフィルムカメラ市場

深い意味はない。最初のカメラを購入した「中古カメラ市場」というお店が地下(アンダーグラウンド)にあったのだ。華やかな新宿東側とは対象的な西側には中古カメラ店がひしめく。

地下に潜るとズラーッと壊れてそうなカメラが並んでいた。どれも傷だらけでデジタルの台頭以来、ここに眠ったまま、自分の存在価値を否定しつづけてきた様相だった。慰めの絆創膏とでもいうのかそこに値札がつけられているのがせめてもの救いのように思えた。

しかし、動画視聴の直後の僕にとってNikon Fだけは輝いてみえた。

「こ、これだ。伝説の名機。やっと本物に出会えた。かっこいいすね。」

「・・・で、どれ買えば良いんですか?」

カメラの墓場から息を吹き込む個体を見つけるのは至難の技。オレには選べない。そう確信した。

・・・カチャ、ギコギコ、カシャン!

「うーん、これ良いね。あの〜基本的に・・・・○▼※△☆▲※◎★●」

ん?(心の声)

「こ、これですね。あーたしかに○▼※△☆▲※◎★●ですね。これにします」

よくわからなかったが、購入した。わかったのは見た目がキレイだったことくらいだ。「黙ってこれを買え」詳しい説明をそう捉えることにした。

結論

敗戦直後の日本でNikonがクレイジーなレンズを生み出したこと、それにダグランス・ダンカンが感動したこと、その伝説をYoutubeで取材した記録をNikonが残したこと、それをペンギン師匠が僕に見せたこと、それをかっこいいと僕がおもったこと、そして新宿で仕事をしていたので周りにカメラが溢れるほどあったこと、あとは僕に2万円のボディと1万円のレンズを購入するお金があったこと。これが写真をはじめた理由だ。

ということで、こちらを御覧ください。

余談

カメラ業界の悲しい事実としてこの動画の再生回数が1万にも達していないということ。僕はこのストーリーを歴史の教科書に載せておくべきだと思う。ものづくり大国の原点を分かりやすく説明している好事例のはずだから。でも日本のカメラ産業は自動車産業みたいに映えストーリーが語り継がれない。これはカメラ産業を支えるユーザーがまず興味がないだろう人が本当に多いからだ。それはカメラが愛着の湧く対象ではなく日常的機械としての側面が強いからだと思う。白モノ家電のサクセスストーリーがぱっと思い浮かばないのと一緒だ。逆にライカというドイツのカメラメーカーは映えストーリーを整理し強固なブランディングを成功させた唯一のカメラメーカーだ。日本に勝つには技術ではなくステイタス戦略を重視した商品開発をした結果だと考えられる。結果として同じ性能でも5〜10倍といった値段でカメラを売ってみせている。同じことを日本のカメラメーカーは十分にやれる。それがこのダンカンの話だったりする。

ペンギン師匠・作品集はこちら


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