年末からの人生の荒波

 しばらくぶりの投稿になりました。

 実はあれから、彼女の状況が急激に悪化しました。統合失調症や元夫との関係からくるストレスですでに脳神経や脳血管が文字通りすり減っていたのです。手術をしたのですが、手術するにはあまりに脳の血管も神経も弱りすぎていてうまくいかずそのまま昏睡状態に陥り自発呼吸ができなくなり、この3ヶ月間、全く意思疎通ができない状況です。
 彼女の姉からその話を聞いた時、人生で初めて、自分が立っている足元の地が割れその割れ目に自分が落ちて行く感覚というのをリアルに味わいました。愛する人を失う恐怖がこれほどのものなのか、積み上げられるお金があったら助かったかもしれないという後悔と無力感、本当に地獄のような思いを味わいました。毎日見舞いに行っては、今日の外の天気やあったことやらを語りかけました(今もです)。はたから見ていると独り言を言っている変な人のように思えるかもしれないと思いつつ、そうでもしていないと神経が持たない気がしてしまったのです。

 また自らも、これ以上病気休暇を取ることができないという人事からの話もありました。「治療に区切りをつけてほしい」というのです。愛する人を失うかもしれないこころの傷にさらに塩を塗らんばかりの運命の残酷さにこれでもかと対峙しする思いで過ごしたこの3ヶ月でした。

 仕事については、辞めようかと思っています。22年勤めた役所の経済的な安定は捨てがたいものがあります。しかしその一方で、病をもらったのもその職場であることもこれまた厳然たる事実です。自閉スペクトラム症ゆえ、人間関係や上下関係、そして得手不得手があまりにはっきりしている自分にとって、人事異動ごとに何をさせられるかわからない地方公務員という職業は、僕にとって神経をすり減らす場所にしか思えなくなってきたからです。
 よく、「役所で勤まらなかったらどこに言ってもダメだ。」と職場で言われます。しかし、10歳以上年下の元職員で就職先を見つけた女性や、若い頃に飲食店の店舗をいくつも経営し数千万単位のお金を動かす商売をした経験のある老夫婦に僕の来し方の話をすると、「hiroさん、もう退職金とか収入とか考えるより、何が一番自分にいいのかを考えないといけないですよ」「いやぁ、あなた、そんな役所なんか絶対無理ですよ。僕らの住む世界に近い類の人間ですね」と言われました。

 不安や恐怖と同時に、最近はほんの少しですが、行くべき道・あるべき場所もうっすらと見えてきています。文字通り、伸るか反るかの決断ですが、辞める前提で構えをすると、不思議と心が定まるのも事実です。

 決断の日は意外に近いもしれません。

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