右脳実験

右脳は新しい考えを得るときに使いますので、右脳の能力を上げれば創造的な発想ができ、より良い製品、より良い作品が生まれる確率が上がると考えられます。新しい発想が必要な場面に駆られた際に、左脳の活動を抑え、その分右脳にエネルギーを送ることが出来れば効率が良さそうです。

実験を1つご紹介します。
左脳の活動を抑制し、右脳の活動を活発にするというもので、2011年に『PLOS ONE』という科学雑誌にこの実験内容の論文が掲載されました。
実験内容は「マッチ棒を動かして正しい数式にする」というもので、ご存じの方もいるかと思います。活発、抑制は電流を流してそれぞれの状態を作りました。電流を使って神経細胞の働き方を変える方法を「経頭蓋直流電気刺激」と言います。
グループ①は「右脳が活発、左脳が抑制」。右脳重視。
グループ②は「右脳が抑制、左脳が活発」。左脳重視。
グループ③が「偽の刺激、いつわりの刺激」。そのまま。
事前にマッチ棒の練習問題を解いてから本番に挑みました。本番の問題は合計で3問あり、最初の1問は事前練習した形式に似ています。しかし、残りの2問は最初の1問目とは発想が違うので難問です。事前の練習問題=最初の1問という関係ですので、解き方の先入観があり、問題2,問題3はかなり難易度が上がっているという状況です。
結果は、グループ①「右脳が活発、左脳が抑制」の正答率が60%。グループ②「右脳が抑制、左脳が活発」が20%。グループ③「偽の刺激、いつわりの刺激」が20%でした。
この結果が示す通り、やはり右脳を活発にした方が正答率が上がりましたので、右脳の能力を上げることはひらめき力が上がることと一致します。

何も苦労せず、努力せずに能力が上がるのであれば夢のような話ですが、人工的に電流を流し右脳又は左脳を活発にして時と場合によって使い分けをすることは倫理的な問題があります。しかし、利用したいと思うのも致し方がないとも思ってしまいます。
ただ、芸術的な訓練を行えば、左右の前頭前野(脳の活動性を調整する)の活動量を変えることができるという報告もあります。電流を流さなくても左脳、右脳の活動量を調整できると言うことです。芸術的な訓練とは、絵画、音楽など「創造」を思い浮かべますが、歴代の天才は右脳と左脳をバランス良く使っていると改めて感じました。

また、学校の授業に音楽と美術があることもこの考えに基づいています。副教科を中止して主要教科(英国数理社)のみを行った学校があるのですが、全体的に成績が下がりました。

私は小中高大のどの期間もこの事実を知りませんでしたので、私が教えている生徒にはどんどん情報を流して副教科も頑張って欲しいと思っています。昨今受験科目がどうしても重宝されていますので。

バナナを購入したいと思います。メロンも食べてみたいです。