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将棋・マル秘研究ノート

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私が10数年間書きためた将棋研究ノートの中からとっておきのマル秘作戦を公開します。
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#横歩取り

後手勝率がすこぶる高い青野流対策「飯島流△4二銀+△2二歩」を徹底研究!

先手が▲5八玉と青野流を明示した局面から、

△4二銀▲3六歩△4一玉▲3七桂△2二歩がいま最もセクシー(?)な後手の対策・「飯島流△4二銀+△2二歩」です。

最後の△2二歩は違和感のある歩ですが、▲4五桂なら△8八角成▲同銀△2三角▲3五飛△4四歩(A図)で跳ねたばかりの桂馬を捕獲できます。

もし2二歩を打っていないと手順中△2三角のとき▲2四飛と寄られ、そこで△2二歩と反省しても飛車の横利

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青野流退治の奥の手・"金ただやん戦法"



あー、はいはいはい。

いま流行りの飯島流(次に△4一玉~△2二歩と打つやつ)でしょ。こっち(先手)もだいぶ目が慣れてきたから怖くないもんね~。

▲3六歩△8八角成!!!(図)

どひぇ~~~~っ!!な、なんやこれ~~~~~っ!!??

飛車で3二金をボロッと取れるやん!!こんな手成立するんかいな!??

この「金ただやん戦法」(僕が勝手に命名しました)、最強ソフト・水匠2も後手番でときどき

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6八ぜったい居座るマン!!

図は横歩取り・勇気流の基本形。

以下は△7六飛▲8四飛△8二歩▲3三角成△同金が最新のトレンドで、

一局の将棋ながらも「次の△9五角の王手飛車を防ぐために▲5八玉と居住まいを正さねばならないのが少々シャク」という理由で青野流よりも人気がやや落ちている現状は以前にブログでお話した通りです。

↑の記事では冗長になると思って割愛したのですが、

実をいうと、「6八玉型のままがんばって戦う手段」があ

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自戦記:死中に角

将棋クエストの実戦より。先手は六段の方、後手は僕。

図は相手の方が▲3六飛と引いてオーソドックスな横歩取りに導いた局面。それなら僕も懐かしの"あれ"を使ってみますか……。

かつての横歩取りのエース・"8五飛戦法"、久々の登板!

例えば図で▲3六歩なら△2五歩▲2八飛△8六歩▲同歩△同飛(A図)が①△8八角成~△5五角と②△7六飛~△3六飛の見合いで後手が面白い。

これは8五飛の長所が最も生

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自戦記:目から火の出るやつ

「"知識"を増やすだけでは意味がない。実生活に役立ててはじめて"知恵"となる」

――というわけで、流行の横歩取り・青野流対策「飯島流△4二銀型」を実戦で早速投入してみた(後手番が僕。相手は六段氏)。

ここまでは定跡通りにサクサクと進む。以下は▲3八銀△7二銀▲9六歩。

最終手▲9六歩は次に▲7七桂と跳ねる下準備。両桂(4五&6五)で襲い掛かられる前になにか気の利いた技をひねり出さなければいけ

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耀龍横歩取り



昨日、大橋貴洸六段が藤井七段の連勝を"10"でストップさせた。

序盤ブロガーとして注目したいのは、青野流の猛威によっていまや絶滅指定戦型といえる後手横歩取りを採用したことで、大橋六段は一体どんな作戦を用意していたのか気になるところだ。

図は青野流の基本形↓

後手には色々な対抗策があるが、△8二飛と引くのが目新しい手。

公式戦で最初に指したのは飯島栄治七段で、実戦は以下▲3六飛△2二銀▲

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自戦記:青野流でひたすら攻める

たまにはnoteでも本業(?)の将棋について書いてみたい。

将棋クエストの実戦で、先手が私。

▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△同飛▲3四飛△3三角▲5八玉(図)

いま流行りの青野流を採用。後手側はこの作戦の有効な対策を長らく打ち出せずにおり、案外、矢倉よりも先に横歩取りが終わるんじゃないかしらと本気で心配している。

△5二

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