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王さまの本棚 19冊目
『クラバート』
オトフリート=プロイスラ―作/ヘルベルト=ホルツィング絵/中村浩三訳/偕成社
19、クラバート
— 安野ニツカ (@nienoedda) July 29, 2020
これもむっちゃくちゃおもしろい。高校のとき図書室で偶然手にとって、高校の頃は指輪物語一色かと思いきや一滴の、違う色のインクを投じた貴重な一冊。こわおもしろい。 pic.twitter.com/WICDV2oCgM
本棚での位置はここ。背表紙の色合いでクラバートってわかるからすごい。
新品の赤い革表紙の本があったとします。そこに、どこでもいいけど、黒いインクを垂らすと、まあもちろんシミがつきますね。どれだけぬぐっても落ちないシミ。クラバートは、高校時代指輪物語とハリーポッターに夢中だったわたしにそういうインクを落としてくれた一冊でした。
まっさらな表紙はいろんなインクや汚れが染みついて、意外とそれがその本の風合いになっていきます。『高校時代』と題された本(ださ!)の、その最初の一滴となったのが『クラバート』だったのです。
(あっぶな、いま本を開いて冒頭を確認しててのめりこみかけてた。)
話は変わって、師匠の教えなのですが、『よい作家にはよい挿絵画家がつく』という法則のようなものがあるそうです。ああ、あの人とこの人の名前ってペアでよく見るなあ!みたいな感じ。例えば、佐藤さとると村上勉、司馬遼太郎と安野光雅。どちらかの仕事を語るうえで、欠かせない存在。作者は亡くなった後ですが、トールキンはアラン・リーの絵になんて言うだろうなあ。映像化にはわりと肯定的だったそうなので、ピーター・ジャクソン版の映画なんて、なんで端折った!とか言いながら、喜んでくれたんじゃないかしら。しらんけど。
とまあ、そういう関係が、プロイスラ―とホルツィングにもあるそうです。
『ホッツェンプロッツ』シリーズや、『みどり色のつりがね』など。『みどり色のつりがね』は、王さまの本棚でのちに出てくるので、お楽しみに。
ところで、本を読んでいると訳者の名前もちょっとずつ覚えてくるものでして、中村浩三ってどっかで聞いたことないかな……きになる。(けど調べずに自然に出会うことを待つ)
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