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未来少年コナン感想byニツカその1

始まりました、『未来少年コナン』、何度目かの再放送。
勇敢な少年と憂い顔の少女の物語、という、『太陽の王子ホルスの大冒険』から脈々と受け継がれ、『天空の城ラピュタ』で集大成を迎えた宮崎駿さんのルーツが見て取れる、痛快SF冒険譚です。はじまりはじまり~!

放送は、NHK日曜深夜0時10分(月曜未明)から!
NHK日曜深夜0時10分(月曜未明)から!!(太字)

我が家はコナンといえば名探偵の高山みなみではなく未来少年の小原乃梨子だというのに(わたしもミツ子も宮崎駿オタク)、Blu-rayボックスはおろかDVDもVHSも持っていないというおおまぬけぶりなので、今度こそきっちり録画することを狙っております。あと、Blu-rayボックスも何年もアマゾンのウィッシュリストに入っているのでいいかげん買いたい。一万六千円也。

今回はデジタルリマスター版というのが売り文句らしく、録画記録のタイトルにも堂々とデジタルリマスターの文字が。それに伴って、画角が、という声も多数あるようで、うーん?
比較すると確かに残念なトリミングだけど、集中して見る分には全然気にならなかったです。
このご時世、L字放送にQRコード付きも覚悟していたけど、まさかの全部なし!まっさらのピカピカ!これだけでありがたいよね!!

というわけで、ご興味のある方はぜひ見てね!
(とツイッターで大騒ぎさせていただいたのですが……みなさま……反応をくださったみなさま……録画できましたか……)(怖いわ。)


第一話「のこされ島」

自然児コナン、そしてあのとき大人だったおじい

コナンの生活には、死が当たり前のようにそばにあったと思うのですよ。
もちろん巨大鮫・ハナジロと生死をかけて戦うような日常もありますが、これは育ての親おじいの影響が大きいと思われます。

おじいは、20年前の最終戦争を起こした大人としての責任、人類の罪と罰をたった一人で背負って生きてきました。
コナンをただ一つの希望とし、育てることで贖罪をし、また、そのただ一つの人類にとっての希望を、近いうちおとずれる老いた自分との別れによって失わせることに絶望していたと思うのです。それでも、コナンがたった一人となっても孤独にくじけることなく生きていけるように、それ相応の教育もほどこしたはず。当然避難する宇宙船に乗り込んだ仲間たちのお墓にも熱心に通ったでしょうし、人間といえばおじいしか知らないコナンは、それを自然のこととして受け入れていたでしょう。
何百、というハイハーバーの人口をすんなり理解していることから、コナンはむじゃきな自然児であり、文明を知らないでいるだけで、頭は悪くないことがわかります。


ラナの優しさ

一方でヒロインたるラナは、コナンの突拍子もない「お墓案内」から優しく話題を転換し、「コナンの粗末な漁船」を見ても、失望を隠して『かわいい船。』、と言います。未開の地に対する偏見がないのです。
また、ハイハーバーの歴史をよく学んでいることからも、優しくしとやかな、賢い少女であることがわかります。

ツイッターで……初期の女性キャラクターがぜんぜんかわいくないけど、めげずに見ていたらぜったいにかわいくなっていきますから……とぼやいたら、「初期のラナがかわいくない」というのは有名な話らしく、ごめんなさい、ソースが行方不明なのですが、
『作画監督の大塚さんがラナを描いたら、ラナの絵コンテを描いた宮さんがあまりのかわいくなさに怒って、二度と大塚さんにはラナを描かせなかった』とかなんとか。ほんとかな。


飛行艇の到来、島外の人々

ラナに「ほかにも生き残っている人類は大勢いる」と聞かされて、絶望の中に一縷の望みが芽生えたおじいですが、飛行艇の到来はまさにその証拠となるものでした。しかし、その期待は武装した兵士クズウによって一瞬で裏切られます。

しかし、誰何したおじいに対して投げつけられたのは、若い女性指揮官モンスリーの痛烈な一言でした。

『あら、あんた言葉を覚えていたの。』

これは、おじいへの侮辱とともに、言葉を忘れ文明を忘れた残酷な、地獄のような島をも見てきた、そのことを垣間見ることができる、モンスリーの凄絶な過去を物語っているのです。

腹部の致命傷を腕で覆い隠し、大事に大事に育てたコナンを、先のない自分よりも、ラナという未知の少女や外の世界に託したおじい。
コナンを危険に巻き込むことをいとわないラナについては、なんでやねーんと思ったけど、そのおじいの気持ちを、心底まっすぐに受け取るコナン。

ラナを助けんと、飛行艇の翼に飛び乗り、銛を突き立てたコナンと、ラナの運命や如何に如何に。

さあ、大冒険の始まりです。

次回予告がシンプルで良き。コナンの4年位前に制作されたハイジの次回予告は、ネタバレがすごかった……
(ハイジを熱心に見る平均年齢アラフォー夫婦)(高畑勲ファン)

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