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王さまの本棚 45冊目

『きつねのざんげ』

安野光雅作絵/岩崎書店

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安野さんの描く哀しく美しい恋物語。
安野さんって、絵もお話もなんだかこう、あっけらかんと明るいものはあんまりなくて、あやしかったり悲しかったり、重厚だったり、ふしぎだったり、秘密を隠していたり、そういう、影があるものが多いように思います。そこがたまらなく好き……

あっけらかんと明るいものも好きです。幸福な結末が至上のものと信じて疑わないハッピーエンディング主義者ですが、幸福な結末を真に幸福と感じるためには、そこにひそむ影によってその幸福を際立たせる必要があるわけで、その影を、安野さんは、描く名手だなあと思うのです。

ところでこの絵は、たぶん、水彩の上に白いなんらかの不透明な絵の具を重ねているんだろうなあと、そういう結論に達しました。白を塗り残すのは無理よねえ。(絵、わかってないよ!)


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