【トレンド】新型コロナウイルスの中、ホームケア製品の消費者ニーズは安全と衛生に変化。変化する消費者に常に応え続けることが大事。

世界各国で、経済と消費に大きな影響を与えている新型コロナウイルス感染症。今回の記事では、ホームケア製品での消費者ニーズや購入チャネルの変化について、お届けします。

人類が今までに経験したことのない世界的なコロナ禍は、消費者の感情や行動に大きな影響を与えています。

世界の消費者は、自分の身を守る製品やサービスにお金を費やすようになりました。安全と衛生の徹底というニーズから、ホームケア製品に求める製品特徴も変化しています。ニールセンBASESは、世界の消費者は今、オーガニック・自然、サステナビリティ、品質、ブランドよりも、殺菌、免疫力強化、健康増進といった特徴をホームケア製品に求めていることを明らかにしました。

なお、各国で求める特徴は異なります。例えば「自然な形で殺菌する」という製品特徴が最も支持されるのは、ドイツ、中国とイタリアです。

コロナ禍の下、各国の消費者が求めるホームケア製品特徴(ランキング)

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健康と安全が重要であることから、製品の品質と効果は、多くの CPG カテゴリーで購入の重要なドライバーとなるでしょう。またニールセンのグローバル調査から、消費者は、独自で差別化された製品に、価格プレミアムを払う傾向も分かっています。今回のニールセンのBASES Quick Screenの調査では、現在の消費者が、よりプレミアム価格を払って購入したいと思う製品特性のトップ5を明らかにしました。

・家族をウィルスから守る
・効果的な殺菌作用がある
・自然な殺菌作用がある
・免疫力を高める
・家族を病気から守る

各国で幅があるものの、世界の消費者は、家族の安全を守る製品にはプレミアム価格を払う価値があると思っています。特に中東の消費者は、免疫力を向上し、効果的に殺菌できる製品には、より進んでプレミアム価格を払うと回答しています。

各国の消費者が、価格プレミアムを払って購入したいと思う
製品特性のトップ5

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コロナ禍は、実店舗のオペレーションへの影響が大きいだけでなく、消費者の購買にも、大きな変化を与えています。2020年3月14日締め週のオンラインショッピング売上高は、昨対比で91%増加しました。特にホームケア製品ではこの変化は顕著です。かつてはスーパーやハイパーマーケットの店頭で購入するのが一般的であったのですから。

多くの消費者は、パンデミックに備えていた頃(ニールセンのモデルではフェーズ3)、バリューパック等の商品を買いだめし、買い物の回数を減らすよう努めていました。この時点では、消費者は、コストコのような倉庫型量販店を強く支持していました。しかし現時点では世界の消費者の多くが、制限された生活ガイドライン下で生活する段階に移行しています(ニールセンのモデルではフェーズ5)。 日常の購買では、利便性と近接性がより重要になっています。倉庫型量販店などの実店舗の客足が鈍ることは避けられず、当面はこの状況が続くでしょう。


ホームケア製品の計画購買における購入チャネルの変化

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さて、前述の通り、世界の消費者は、現在はウィルスから自分たちを守る製品特徴を重視しています。コロナ禍前は、オーガニックやサステナビリティが次第に重要になってきていた時期でもありました。

健康への影響の深刻さを考えると、コロナ禍で重要になった製品特徴は、今後も引き続き消費者に影響を与え続ける可能性が考えられます。ブランドは、このような消費者の嗜好の変化を常に把握し、素早く対応することが重要です。

コロナ禍は、消費者の行動や買い物の仕方を劇的に変化させました。ブランドが、その時々の消費者のニーズを、どのように満たせるか、を常に考え、実施していく必要があります。 これは、コロナ禍の後も同じです。オーガニックやサステナビリティといった製品特徴は、この先もまた注目を集めるかもしれません。消費者の変化に常に対応できるよう情報を把握し続け、消費者に応え続けることが重要です。

ニールセン・カンパニー合同会社では、消費者調査、ショッパー調査、販売予測、マーケティングROI分析、コンシューマーニューロサイエンス分析、海外市場情報提供などを行っています。
お問い合わせ:JPNwebmaster@nielsen.com

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