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ゲーム開発も探検のうち【そこらへんのゲーム関係者 vol.11】

こんにちは、そめ吉です!「そこらへんのゲーム関係者」今回は任天堂株式会社でプログラマーやテクニカルディレクターを務めた後、フリーのゲーム作家として活動されている「たんけんずき」新田 昌弘さんにお話を伺いました!

新田さんは現在エンジニア、プランナー、ディレクター職でのお仕事も募集中です。ご興味ある方はsupport@nidan-jump.comまでご連絡ください!それではどうぞ!


こんにちは!たんけんずき こと 新田昌弘 と申します。2000年に任天堂に入社後、長いあいだ開発の仕事をしてきました。2023年8月に退職して現在は個人でゲーム開発をしています。

期間も長いので、覚えている範囲、語れる範囲でお話します。

テーマ1. あなたはなぜゲーム業界に?

小学生のとき、家には父のパソコン(MZ-2000, MZ-2500)がありました。

兄の影響でBASICマガジンのプログラムを打ち込む、いわゆる「写経」をしたり、キャラクターを操作するプログラムを作ったりしていました。6年生のときにはアスキー文字だけで描かれたオリジナルRPGらしきものが完成しました。ゲームはひとりでも作れるものだと考えているのは、この頃の経験によるのかもしれません。

大学では、趣味の幅を広げるため・募集イラストが魅力的だった・単純に楽しそうといった理由から、探検部に入部しました。洞窟探検、カヤックで川下り、無人島生活などなど、ワクワクするような楽しいことをたくさん経験しました。また、自分は好奇心が旺盛なんだなと自覚したのもこの頃です。

大学時代の洞窟探検

専門は人工知能系の研究室でした。もう25年以上前ですが、ここで学んだニューラルネットワークにすごく将来性を感じていました。ずっとゲームへ応用したいと思っていたのですが、ここ数年で急速に発展していますね。今後ぜひ取り組みたいと考えています。

就職活動はゲーム業界のみ。任天堂は強く希望していました。筆記試験後の面接では、当時の人事部長に「きみ、この業界目指すなら『娯楽』の漢字くらい書けなあかんでぇ」と指摘されて真っ青になりました。当時は面接1回のみだったので、これのなにが良くて採用して頂いたのか今だに判りません。

テーマ2. その後はどんなことを?

人生のほぼ半分を過ごした任天堂では色々なことがありました。なかでも一番思い入れが強いのは、初めてゲーム開発に関わった「ゼルダの伝説 夢幻の砂時計」です。

初期の数人規模の段階でプレイヤープログラム担当としてチームに入り、ニンテンドーDSならではのゼルダとしてどういう遊びができるのか、実験と試行錯誤を繰り返していました。

全てタッチパネルで操作できるようにすべく、直感的でありながら誤操作が起きにくいよう、自身で細かなブラッシュアップを重ねていきました。その結果、ペンアクションアドベンチャーとして高い評価を頂くことができました。

もう一つ挙げるとすれば、スマートデバイス向けのゲーム開発です。

経験のない他社プラットフォームへのリリースだったので、開発環境も含めて模索が必要でした。1つのチームでテクニカルディレクターをやりながら、開発サブマネージャとして他のチームの技術調整・折衝なども行いました。Unityさんにも色々な面でサポートをお願いしましたが、快く協力いただいて大変感謝しています。

スマートデバイス開発・運営チームメンバー飲み会

2023年8月に任天堂を退職。理由は家庭の事情など色々ありますが、やはり自由な開発もしていたいという気持ちがありました。

任天堂最終日、本社開発棟にて

2024年6月現在はフリーのゲーム作家を名乗っています。スマホ向けインディーゲーム『求む!洞窟探検家』を個人で開発中です。

他には unity1week に参加したり、Unityゲーム開発者ギルドにゆるく入ったり、インディー開発者イベントに参加したり、ARコンテンツの開発協力などもしています。

テーマ3. そこらへんのゲーム関係者として楽しかったこと

ゲーム開発でも楽しいことはたくさんありましたが、色々なイベントに参加できたことも良い経験になりました。

新人の時、「任天堂スペースワールド2000」の説明員として応援に行きました。開発者もお客さんがプレイする様子を見ておくべきという趣旨です。前日にはニンテンドー ゲームキューブの発表会を袖から見ることができました。これから新しい時代を迎えることを実感したときでした。

任天堂スペースワールド2000

ロサンゼルスで開催された「E3 2004」ではニンテンドーDSが初めてお披露目されました。このときニンテンドーDSの特徴を生かしたTechデモの制作に関わったことに加え、現地に入って設営や動作確認のスタッフとして参加しました。

E3 2004 NINTENDO DS シアター入口
任天堂スタッフTシャツ
特製タッチペン。上のボタンを押すと光る仕組みになっていた

スマートデバイス向けのゲーム開発では、多くのプロジェクト、多くの会社さんと関わることになりました。Googleさんからは「Google I/O 2019」とその前日の特別イベントに招待して頂きました。

Google本社 - マウンテンビュー
Google I/O 2019 昼休みの様子

その他にも、SIGGRAPH 2006、CEDEC 2007、WWDC 2016、Unite Tokyo 2018など、様々なイベントに参加しました。

国内外の人と関わる中で、それぞれの考え方の違いが判ったのは大きな意味があったと思います。企業文化というのは必ずしも国ごとにあるわけではなく、違う分野の企業は同じ国でも風土が異なり、逆に同じ分野の企業は国が違っても共通する部分があると気づきました。

今後はひとまず個人開発のゲームをリリースしますが、後のことは探検気分で柔軟に考えています。ただ、これまでの経験と好奇心で、ゲームの新しい形を作るチャレンジを続けていくことは、今後も変わらないでしょう。

この記事を書いた人

新田 昌弘@たんけんずき|@tankenzuki


新田さん、ありがとうございました!新田さんは現在エンジニア、プランナー、ディレクター職でのお仕事も募集中です。ご興味ある方はsupport@nidan-jump.comまでご連絡ください!

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