見出し画像

ニコスケッチ#3-2 野外スケッチのマナー 2023

★ 忘れてはいけないこと
★ 描かせていただいている感謝の気持ち

2023.6.18 nicosketch-003-nara-sketchmanner

通行のジャマにならないとか、騒がしくしない…ゴミを捨てずに持ち帰る…立ち入り禁止の所に入らない…など一般的なマナーを守るのは当然のこととして、野外スケッチならではマナー、気をつけたいことをまとめました。

野外スケッチでのマナー

写生地が観光地、公園、自然、生活圏、田園…などエリアによって気をつけることに違いがありますが、おおよそ共通するのは次のようなことでしょう。

施設によってスケッチNGのところもあります。あらかじめ描いてイイかどうか確かめたいモノです。寺社の境内もNGだったりします。


  • 地元の方にあったら挨拶しましょう。その地で描かせていただいてるという気持ちを忘れないように、そして不審者と思われないようにね。

  • 筆洗の水は持ち帰るか下水処理施設のあるところで捨てましょう。道端や側溝に捨てるのはやめましょう。

  • 人が多い所ではベンチなどを長時間使うことは避けましょう。描き始めると数時間その場に居続けることもあります。便利だからと言って人が多い所でベンチを独占するのはいかがなものでしょうか(つい便利だからつかっちゃうけどね)

  • 座って描いているときにが来たら立ちましょう。座ったままだと車体の死角になってドライバーからその人が見えにくいのです。描いてる側は車との距離は十分あると思っても、ドライバーは、わからないので不安になるのです。

  • 描いてる途中、思わぬことですぐその場を開けたり一時的に移動することもあります。荷物はすぐにまとめられるようにしたいものです(ワタシもあまりできてません)

  • 描こうとしている場所に先客さん…先にスケッチしている人、カメラ撮影してる人がいたらジャマにならないか聞いてから場所を決めた方がいいでしょう。ここで描いていいですかと聞いて、いいですよと言ってもらえたら、お互い気持ちよく過ごすことができます。ワタシの経験ではダメだと断られたのはこれまでに1回だけです。

  • 路地裏や民家のそばで描くとき、騒がしくならないようにね。ひとりで描いてるとそれほどでもないけど、楽しいからと言って友人とおしゃべりしながら民家の側で描くのはNGです。というのもひょっとしたら家の中に夜勤明けで疲れて寝ている人がいるかもしれません。それなのに表で騒がしくすると迷惑なのです。家の人が注意しようと外に出てきたときは、ガマンを重ねた上での注意、すでに怒り心頭なのです。


ときどき鉄道ファンのことがニュースになります。常識ある撮り鉄さんがほとんどなのにマナーの悪い撮り鉄が目立ってしまい、撮り鉄さんみんなが白い目で見られることもあるような…そんなご時世です。これは他人事ではないと思います。実際、ワタシがスケッチを始めた頃に比べ、スケッチNGの場所が増えているように思います

ある映画監督の想い

映画づくりでは、個人宅をお借りして撮影することもあります。撮影機材、照明機材を持ち込みたくさんのスタッフと俳優さんが出入りします。
もちろん細心の注意を払って撮影し、終われば元の状態に戻します。でも人のやることです。どんなに気をつけてもどこかにキズつけることがあります。あとで家人がそのキズをみて何を思うのでしょう?

  • こんな所をキズつけて、もう撮影なんてまっぴらだ

…と腹立たしい思いになるのでしょうか? それとも…

  • このキズはあの映画の人たちが撮影で残したキズだ。あの映画に自分の家を使ってもらえたんだ、あの人たちと過ごしたことが懐かしいなあ…

…と思い出してくれるでしょうか? ともに過ごした人たちにとって良い思い出となるような仕事をしなくてはならない、このような心構えでその監督は撮影に臨んでいるそうです。
原文を紹介したいのですが、どの著書にあったのか失念しました。ワタシはこの監督の想いを胸に野外スケッチしているつもりです。

風景の一部になれたら

現場スケッチしてると、気づかないうちに迷惑をかけているかもしれません。でも…

  • ああ、あそこで熱心に絵を描いてた人がいたなあ、なんでもない景色が絵になるなんて驚いたなあ

…と懐かしく思い出していただけるでしょうか? できたら、あの人、絵が上手かったなあ…と思っていただけたらもっと嬉しいけどね。
京都などの観光地、それも人が多いところでスケッチするときは、その風景の一部に溶け込めたらと思うのです。そして海外からの観光客さんに…

  • 古都の美しい景色を描く絵描きがいた、日本もそういう文化があるのだなあ…

…なんてその人の旅の思い出に残れば嬉しいですね。

記事を読んでいただいて嬉しいです。サポートしていただけたら、今後の活動に役立てたいと思います。