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【つくる責任 つかう責任】印刷会社×SDGsの課題とは?~廃棄物編~

こんにちは!西川コミュニケーションズSDGs広報チームつつつです!当社はプロフィールに記載されている通り、創業115年を迎える印刷を中心としたコミュニケーション支援会社です。今回は「SDGsの観点から考える、印刷会社の課題」について、入社以来、長く印刷業務に携わっていた専務取締役の中島さんと、SDGsを推進する執行役員の鈴木さんにお話を伺いました。

17のゴール、印刷会社はどれと関係あるの?

ー印刷会社はSDGsで掲げられているゴールに対してどのような課題があると思いますか?

(鈴木)印刷会社は製造業なので、まずは「12:つくる責任、つかう責任」があります。印刷物の製造には地球のあらゆる資源が使われていて、印刷では主に、紙・水・金属・インク・電気が挙げられます。資源の問題に直結するゴールは「14:海の豊かさを守ろう」「15:陸の豊かさも守ろう」「7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに」等です。

具体的な課題の例を挙げると
・印刷に使われている紙は地球環境の保全に適しているものか?
・印刷工程で発生する廃棄物は適切に処理されているのか?
・製造工程で発生するCO2は把握できているか、削減に向けた活動はされているのか?
・働く従業員、地球環境にとって害のある物質などは使われていないのか? 
などがあります。

印刷過程で出る廃棄物とは?

ー「ものを作る」ということは必ず何かゴミが出ますよね。印刷の工程ではどのような廃棄物が出るのでしょうか?

(鈴木)印刷物製造にあたって発生する主な廃棄物は先ほど原材料としても挙げましたが、紙・金属・水です。

ー紙のゴミが出るのは想像しやすいですね!それぞれはどのような工程で出るのでしょうか?

(鈴木)おおよそ以下のようなものです。

【紙ごみ】
・品質を安定化させるまでの試し刷りの紙(50~300枚程度)
・印刷の工程で不適合(色調不良、汚れ)となった紙
・加工の工程(折り・綴じ加工)で不適合となった紙 など

【金属ごみ】・・・アルミニウム
・オフセット印刷する際に使用する版(刷版)

【排水】
・オフセット印刷する際に使用する湿し水

印刷方法で比較する「廃棄物」の違い

ー前回の記事「階段ポスター」で写真が掲載されていたジェットプレスをはじめとするオンデマンド印刷機は、SDGsに対応する製品としてアピールされていましたが、先ほど挙げていただいた廃棄物の観点から考えるとどんな差があるのでしょうか?

(鈴木)はい、ではまず廃棄物の観点からオフセット印刷とオンデマンド印刷の違いについて図を使って簡単に説明します。

現在、商業印刷で主流になっているオフセット印刷は「版」を使って、印刷をする手法です。先ほど金属ゴミの説明でも出てきたように、アルミニウムの板をハンコのように使って印刷します。一方、オンデマンド印刷機のイメージとしてぴったりなのは「オフィスや家庭にあるプリンターの高品質版」です。プリンターでは版や水などは使いませんよね。その違いがある前提を頭に入れて印刷工程における「廃棄物」の観点でオフセット印刷とオンデマンド印刷を比較してみましょう。

廃棄物の観点から考えるオフセット印刷とオンデマンド印刷の違い

これを見るとオンデマンド印刷がとてもメリットがあるように思えますね。オフセット印刷では品質を安定させるために一定数の試し刷りをする必要があり、品質を高めようと思うとどうしても紙を多く使う必要が出てきます。一方、オンデマンド印刷では少ない試し刷りで品質が安定します。

また、オフセット印刷の場合、印刷するたびに版が必要になるのに加え、店舗情報や地図などの情報を差し替えて印刷する「差し替え印刷」を行う際にはその種類の数だけ版を作る必要があります。一方のオンデマンド印刷はPDFデータを使ってそのまま印刷が出来るので版が不要となり、金属ごみが出ません。また、オンデマンド印刷は印刷に水を使わないので排水もありません。

オンデマンド印刷一本にはならないの?

ーお話を聞いていてオンデマンド印刷機はとてもメリットがあるように感じるのですが、今後はオンデマンド印刷のみになっていくのでしょうか?

(中島)ここからは中島がお答えします。先ほどは「廃棄物」の観点から比較をしましたが、オフセット印刷とオンデマンド印刷では得意な領域が異なります。それらは製造したいものに合わせてうまく使い分けを行っていく必要があります。また、環境負荷という点では「廃棄物」だけではないので、多面的に見ていく必要がありますね。例えば「電気使用」についてはオンデマンド印刷とオフセット印刷で同じものを同じだけ印刷するとなると、オンデマンド印刷のほうが時間がかかるため、電気の使用量が上がります。印刷したいものの量にもよりますが、時間がかかるということは納期にも関わりますね。

印刷の特性から考えるオフセット印刷とオンデマンド印刷の違い

ー同じものをたくさんスピーディーに作ることはオフセット印刷が得意、オンデマンド印刷は少ない量でも必要な時に効率よく製造することが得意ということですね。

(中島)はい、そうです。さらにオンデマンド印刷はターゲットを絞った情報発信ができます。例えば、届ける相手にとっていらない情報はゴミになりますが、届ける相手に合わせて情報を変えた印刷をして届けることが無駄を減らすことにつながり、結果、廃棄物を減らすことができる、ともいえます。

(鈴木)先ほどお話した「廃棄物」の問題はオンデマンド印刷機の導入で削減できる部分もありますが、当社では、廃棄物を実質ゼロにする「ゼロエミッション印刷」をはじめとした、「人と地球に責任を果たす印刷」を実現するプロジェクトを進めています。いつかお披露目できる時が来たら公開させていただきます。(詳しくは以下リンクをご覧ください)

オンデマンド印刷機”ジェットプレス”の特徴

ーそういえば、これまでもオンデマンド印刷機は社内にもあったと思いますが、そちらの機械と比較してどんなことが特徴として挙げられますか?

(中島)オフセット印刷に劣らない品質の高いものが作れます、さらに大きいものも作れるようになりました。これまで当社で取り扱っていたオンデマンド印刷はA3サイズまでしか作れなかったのですが、A2サイズまで印刷できるようになりました。

ー品質が高く大きいサイズまで作れること、たくさんの種類を少ない単位から作れるとなると新しいアイデアも発想出来そうですね。

(中島)社内でも色々と新しい企画を構想中ですが、従業員の方は何かアイデアがあれば中島・鈴木までご連絡ください!

動画で工場見学!印刷工場に潜入!

ーそれでは最後にジェットプレスが動いている様子を動画でお届けします!機械が動いている動画はワクワクしますね。

(中島)従業員の方はぜひ、一度工場見学にきて実物を見てほしいです。

ー本日はお時間をいただきましてありがとうございました!


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