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もっとファッションに自由を!夢を!と願うニコプチ編集長とスタイリスト対談

先日、自身のスタイルブックを発売し、作家の仲間入りをした、女子小学生向け雑誌「ニコ☆プチ」で大活躍中のスタイリスト・服部裕子さんにお話を聞いて来ました! 

ニコ☆プチ編集長バーバラが信頼するスタッフのお一人。とっても素敵な方です。今回は、ちょっと趣を変えて、お茶しながら対談形式でお送りします!

バーバラ:本のご出版おめでとうございます! 構想から2年、ついに発売されました! 書籍はやっぱり時間がかかるもんですね。雑誌の場合は、日々ページに追われて、自分が何を作ったのか覚えてない……。服部さんご自身で文章も書かれているんですよね。作家大先生の仲間入りじゃないですか! 服部さんが、ニコ☆プチでお仕事を始めたのはいつ頃でした? 

服部さん:いえいえ、そんなに持ち上げなくても(笑)。永野芽郁ちゃん(元ニコ☆プチモデル)がちょうど卒業するときに、ニコ☆プチでの仕事を始めたから、もう7、8年になるかなぁ。その頃のニコ☆プチは、ブランドがいっぱいありましたよね。アース、ブロック、ベティ、チャビーギャング……20ブランドはあったんじゃないかな。どれもおしゃれで、個性的なブランドばかりだった。

バーバラ:ブランドが元気な頃だね。今じゃすっかりブランドが少なくなってしまって……。服部さんに初めてお願いした企画は「ガーリーになりたい」でしたね。今でも覚えているのは、服部さんは良かれと思って、コーデを一つのブランドでまとめてくれたんだけど、「それじゃ綺麗すぎる、ニコ☆プチじゃない、ニコ☆プチらしいガーリーを考えて欲しい、やり直し!」って、私、怒ったことを思い出した!(笑) 元々子供向けのお仕事はしてたんでしたっけ?

服部さん:いや全然! 「with」とか「JJ」とか、10年前はガチのコンサバ! デニムをはいてはいけないみたいな、謎ルールがいっぱいあったよ〜! 人気ブランドは、Apuweiser-riche(アプワイザーリッシェ)とか。アンサンブルニットはみんな着てたよね。懐かしい。

バーバラ:そうか、私があのガーリー企画で感じた違和感は、“コンサバ”だったんだ! その頃は、「CamCan」のエビちゃんOLが一世風靡した後に、一緒に大人になろうって「AneCan」が盛り上がってたよね。あの頃の雑誌、おもしろかったなー、憧れがちゃんとモデルだったし、服が飛び売れてさ、「雑誌の勢い、戻ってこい!」と思って、今ニコ☆プチ作ってるよ、私。

服部さん:その時、ニコ☆プチって規制がないところがおもしろいなって。ファッションに希望がある! 大人と違ってヘアもメイクも盛るし、前向きなファッションって言うか。本当、プチ世代(9~12歳ごろ)ならではだと思う。大人になればなるほど保守的で制約が生まれるから。

バーバラ:ニコ☆プチは大人ブランドほど、“大人の事情”が無いかも。それは、前編集長Y氏の頃から、ニコ☆プチとブランドが一緒に成長して来たからだと思う。ニコ☆プチができる前は、子供向けのファッション誌が無かった訳だから。

服部さん:お高めブランドとプチプラブランドをミックスコーデって、ニコ☆プチしかできないって! 派手カラーを効かせたカラフルコーデもそう。ニコ☆プチで紹介するブランドの方達も、「自由にかわいくしてね」って言ってくれる。こちらとしても、やりがいがあるよね。

バーバラ:それは、親の意思じゃなくて、子供の意思で服はコーディネイトされるべきっていう、ニコ☆プチ創刊以来の考え方が大きいと思う。親の存在を前面に出さない方針でやって来たのは、主体性を育むため。主役は子供自身。もちろん服を買ってあげるのは親なんだけど、あくまで子供のサポート役であって欲しい。家族は子供の応援団であれば、子供の自己肯定感も高まると思うんだ。

服部さん:世の中の流れなのか、最近はブランドが減って、さみしいですよね。個性的なブランドほど無くなってしまう。“量産型“が流行るくらいだから、みんな同じ服を好むようになってしまった。

バーバラ:今は大人も子供もおんなじような服を着てて正直つまらない! 人民服じゃないんだから。でもまぁ、楽なんだけどね。これ着ときゃそこそこおしゃれだし大丈夫でしょ的な。私も最近そうかもな。

服部さん:最近売れているブランドを見てると、20代の若い子も40代の大人の女性も、みんな同じようなデザインの服。みんなが着れる服ですよね。もっとこう自分らしさというか、自分の好きなファッションに夢を持って欲しい! それをこれからの子達に伝えたかった! だから本に思いの丈をぜーんぶ詰め込んだんだよー!

バーバラ:また古い話しちゃうけど、昔は年代ごとのおしゃれってあったよね。だから、雑誌が売れていたのかもだけど。

服部さん:私たちが雑誌読んでた頃は、「JJ」だとナナコ(松嶋菜々子)VS.アムラー(安室奈美恵)なんて企画があったり、関西VS.東京とか、いい意味でおしゃれを競い合ってた。ファッションリーダー的な憧れの人がいたんだよね。

バーバラ:あの人みたいに可愛くなりたい、おしゃれになりたいって感情は、おしゃれの入り口としては大事だよね。その盛り上がりがブームを生んで、そして自分に似合うおしゃれを追求していく流れになる。

服部さん:その憧れの対象に、プチモ(ニコ☆プチモデル)がなってもらいたいな。やっぱり、ニコ☆プチはおしゃれの教科書だと思うよ。普通の子がおしゃれになれる道筋がしっかりしている。おしゃれの視野は広がれば、自分で服を選ぶことも楽しくなるはず。

バーバラ:中学生とか思春期に入ると、人の目を気にしたおしゃれになってしまう子もいると思う。だから小学生の頃から、自分はこれが好きって言えるおしゃれを見つけて欲しい。おしゃれって、その時々で、自分の気分次第でも変わるものだからさ、いろいろ挑戦してもらいたいな。

服部さん:「私はこの服が着たい!」って、親を説得するくらいの強い意志を持って欲しい!

バーバラ:ニコ☆プチも服部さんの本も、素敵な大人になるための“服育本”と言えるかもしれないね。なんなら、親子のコミュニケーションツールにもなります。ぜひ多くの方々に、お手にとっていただけたら嬉しいです!

ホント雑誌を語ると止まらない!! 次回もその道のプロと一緒に対談形式でお送りします! お楽しみに!

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