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202011月_射手座の言葉

 火エレメントの受難時代である。

 最近、そんな話を講座やワークショップ等でよくしている。なぜなら、天空から火のエレメントがすっかり姿を消してしまったのだ。木星、土星は地エレメントから風エレメントへと移動、天王星、冥王星は引き続き地エレメントに滞在し、また海王星はしばらく水エレメントに居座ることになる。

 時代を象徴する天体から火のエレメントが消えた。これはどのようなことを意味するのだろう。

 天地創造の構成要素、火・地・風・水の始まりである火のエレメントの姿勢の一つとして、「未知なるもの」に向かって前進していくというのがある。

 まだ何もないところから体験を生んでいく勇気、生きていることの実感、虚無からの形成力、自分を知るための力試しの機会…こういったことが火エレメントのあるべき姿勢といえる。

 しかし、今は世の中から「体験」が奪われてしまった。なににつけても、まず何かしらの情報ありき、レビューありき。体験する前からあらゆることがネタバレで、何もせずして行った気になる、やった気になる。そして、危険なく安全な場所で静かにしているに限る。そんな風にして、私たちは完全に「生きる」機会、「惑う」機会を奪われてしまった。

 この半年近く、「先の見えない時代」というフレーズをどれだけ目にしただろうか。そんな状況の中で、誰のどの考えが正しい、間違っているという議論がどれだけ空しく感じたことだろう。何かしらの策が出ては叩かれ、否定され、結局、いまだ未来に対し「惑う」ことしかできないではないか。

 天空から火のエレメントが消えた今。現状維持を求める若者たちが増えている日本社会において、今後、私たちは未来を創るという発想や冒険的前進を目指す勇気を持つことができるだろうか。未来を生きるために、あえて「惑う」ことを選択できるだろうか。それとも気分や思いつきで書いたどこかの誰かの情報を頼りに、無事と無難の人生を送ることになるのだろうか。

 2020年の射手座期は、「惑う」ことを前提に未来を創っていく努力をしてみたい。何かしら自分に新しい冒険を課してみたい。新しい行為の中で新しく思想し、未来へと前進するための羅針盤を手にしてみたいと思う。

 そこで、今月は明治の作家であり詩人、与謝野晶子の言葉に注目。女性が自我や性愛を表現するなど考えられなかった時代に、情熱的な作品を数多く発表した彼女の姿に、射手座的態度=未知なる世界を希求し、「惑い」ながらも行動する「冒険的前進」にを見出します。






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