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芸は身を助く

「芸は身を助く」という諺がある。

「どんな分野であれ、
他人に秀でる能力があれば、
思わぬところで役に立つものである」

という意味だが、

今の激動の時代において、
この言葉の持つ意味はとても大きいと思う。



自分の話になってしまうのだが、
僕は高校3年生の夏まで、
野球に没頭し打ち込んできた、
いわゆる「野球バカ」であった
という自負がある。

小学4年の時に観戦した
甲子園、高校野球に虜になり、
そこから高校野球を夢見てひたすら野球に打ち込む日々だった。

しかしいつか終わりは来るもので、
それは2010年7月に迎える。

当時、高校卒業後の進路も、
これからの人生の事も何も考えていなかった僕は、

物心がついてからそれまでずっとあった「野球」が、
"全く無い"生活をスタートすることになった。

もう、自分は高校球児でもなければ、野球選手でも無い。
「元」がつくだけで、
自分を説明できる肩書きもなければ、
何か得意な事があるわけでも無い。

「これから、何を目標に生きていけばいいのか」

これまで指針にしていた野球というコンパスが
強制的に無くなり、進む方向が分からなくなった。


当初は長年の野球人生から解放された勢いそのままに、
それまでした事がなかった事をしてたくさん遊び、
楽しい生活を送っていたのだが、
それも落ち着いてくるとやはり「このままではまずい」
という気持ちになってくる。


それから手当たり次第に
興味がある事はやってみることにした。

音楽、アイドル、ボランティア、留学、アルバイト、学生活動、バックパッカー、などなど。

それを見て周囲は
「行動力のある人だ」と評価をいただく事もあるが、

僕はただ野球に匹敵するくらい打ち込めるものを探すのに必死だった、
という表現が自分にとってはしっくりくる。

そうした経緯を経て今がある訳だが、
あの時野球から離れた事で、
別の世界に飛び込んでみた事で、

それまで見えてなかったものや世界がたくさん見えるようになった事は自信をもって言える。

いかに自分が小さな世界で生きていたのかを痛感したし、
同時に世界の広さや新たな発見に楽しさを見出してもいた。

自分の中の世界地図が出来ていくのが楽しかった。


そして自分が経験してきたことは、
人に説明ができるし、
場合によっては教える事もできる。

というか経験していないことは
説明しようもなく、教えても相手の腑には落ちないだろう。


昨今の世の中、
精神を病んで行く人が多く見受けられる。

勝手な憶測でしか無いが、
そういう人たちにとって「逃げ場」になるようなもの、
また「選択肢」になるようなものがあれば、
そういった状況にならなくて済んだのかもしれないと思う。

「自分がいるのは小さな世界であって、
本当はもっと大きな世界が広がっている」

事を体感として持っていれば、
いざという時にその感覚が役に立つ。
精神的に追い詰められた時、
自分が自分を救うのだ。


そのために、とは言わないが、
趣味が多方面にあったり、
色んな世界、業界を見たり体験したりすることは、
少なからずその人の経験となり、
その経験が後の選択肢を広げたり、
経験を伝える相手がいれば、
その人の為になる事もできる。


風の時代は、とにかく動く事が重要だと思う。
風のように、インスピレーションには素直に、軽やかに。


その意味を今問うてもわからないかもしれないが、
色んな経験、体験を多方面で重ね、
自分の世界地図を作っていけば、
ふとしたきっかけがあなたの可能性を一気に広げることになる。


動く。
動かなければ物事も動かない。

そして感じた事を、アウトプットせよ。
誰かがそれを見ているから。

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