あたしは、月のように死んで、生まれ変わる
『月の満ち欠け』を読んだ。
女性の執念なのか？
それとも男性の執着なのか？
純愛なのか？
嫉妬なのか？
離れられない愛なのか
離れたくない愛なのか
ぐるぐるする小説を読んだ。
月の満ち欠け
佐藤 正午 (著)
あたしは、月のように死んで、
生まれ変わる――
この七歳の娘が、
いまは亡き我が子?
いまは亡き妻?
いまは亡き恋人?
そうでないなら、
はたしてこの子は何者なのか?
三人の男と一人の女の、
三十余年におよぶ人生、
その過ぎし日々が交錯し、
幾重にも織り込まれてゆく、
この数奇なる愛の軌跡。
プロフェッショナルの仕事であると
選考委員たちを唸らせた
第一五七回直木賞受賞作、
待望の文庫化。
(特別寄稿:伊坂幸太郎)
佐藤 正午 (著)
Amazonより
なんとも言えない不思議な
読後感が残りました。
まるで月の光に
照らされているかのような、
ふわふわとした感覚です。
七歳の娘が実は亡き我が子、
亡き妻、亡き恋人かもしれない、
というミステリアスな設定に
はびっくり。
普通ならちょっと怖いと
感じるかもしれませんが、
物語の展開が面白すぎて、
そんなことはどうでもよくなります。
三人の男と一人の女が織り成す
三十年以上の人生が、
まるで一枚の絵のように
描かれていて、
その細やかな描写には
圧倒されます。
誰が誰の生まれ変わりなのか、
そしてその真相は何なのか、
最後まで目が離せませんでした。
登場人物たちの過去と現在が
交錯する様子は、
まるでタペストリーのように
美しく、時には泣き、時には
「あれ、これってどういうこと？」
と首をかしげる瞬間もありました。
この本を読むと、
自分の過去や未来も
月の満ち欠けのように、
常に変化し続けるのかもしれない
と思わせられます。
感情の満ち引きを楽しみながら、
人生の謎解きをしているような
気分です。
一言で言うなら、
「月の満ち欠け」は
人生のミステリーとロマンスが
絶妙に絡み合った、読んでいて
楽しい作品です。
次はどんな驚きが
待っているのか、
ページをめくるのが
やめられませんでした。
読後は夜空を見上げて、
「ああ、月もこんなふうに
見ているのかな」と、
しみじみ感じました。
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自己紹介
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