この世界にヒーローはいないのかもしれない
『ペッパーズ・ゴースト』を
読みました。
予知能力を持つ国語教師
・壇千種が
主人公です。
この物語は、彼の特殊な能力と
それがもたらす混乱や
葛藤を描きながら、
もう一つの並行する物語として
ネコジゴハンターの話が
進行します。
ペッパーズ・ゴースト
伊坂幸太郎 (著)
『ツァラトゥストラはこう語った』
とは…
この本は
フリードリヒ・ニーチェの
『ツァラトゥストラはこう語った』
を伊坂幸太郎氏が本で表現すると
こうなったそうだ
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
主人公壇千種は、
中学校の国語教師で、
他人の飛沫を浴びることで
「感染」し、
その人物が翌日目にする光景を
「先行上映」として見ることが
できる予知能力を持っています。
この能力は、
自身の危機管理には
役立てるものの、
他人に危険を知らせることは
難しい状況を生み出します。
例えば、
事故や災害の予知をしても、
相手がそれを信じて行動を
変えるとは限らないため、
壇は悩み続けます。
もう一つの物語では、
ネコジゴハンターと
呼ばれるキャラクターが
登場します。
ネコジゴハンターは、
「猫を地獄に送る会」
(ネコジゴ)という悪質な
SNSグループに
復讐するために活動しており、
この物語は実は壇の教え子が
書いた小説という形で
作中に組み込まれています。
ネコジゴハンターの物語は、
ペッパーズ・ゴーストの
テーマと交差しながら進行し、
やがて本編と驚きの合流を
果たします。
正義と悪の境界線、
予知能力の倫理的問題、
そして人間の本質について
考えさせられる内容です。
壇は予知能力を持ちながらも、
その力を完全には活用できず、
むしろその能力によって
もたらされるジレンマに
苦しみます。
ネコジゴハンターの物語も、
復讐という形で
悪を裁く正義のあり方を
問いかけます。
伊坂幸太郎の
『ペッパーズ・ゴースト』は、
単純なヒーロー物語ではなく、
複雑な倫理的問題や
人間の弱さを描いています。
主人公の壇は決して
完璧な人物ではなく、
常に迷いながらも最適解を
求めて行動します。
その姿は読者に共感を
呼び起こし、
物語全体を通じて
「正義とは何か」という問いを
深く考えさせます。
予知能力を持つ主人公と、
作中作として展開される
ネコジゴハンターの
物語が交錯することで、
物語に深みと緊張感を
持たせています。
主人公の壇千種や
ネコジゴハンターは、
ヒーローでも何でもないのだ
よく考えなさい
壇千種の母親の
よく考えなさいを
「ヘディングしなさいヘディング」
と言っていた
主人公壇千種も
「落ち着いてヘディング」と言う
ヘディングの意味が、
よく考えなさいと言う意味に
変更されました。
特に好きなシーンは
ネコジゴハンターのやり取りが
好きです
アメショーが挨拶代わりに
「アメショー、ハマショー、
松尾芭蕉」
と言うシーンがあり、
そのユーモアがとても印象的です。
また、ロシアンブルの
神経質で心配性な
ところも良かったです。
考えさせられた言葉
「皆さんに必要だったのは
喜びです。
ニーチェが言うところのその為に
永遠の人生が必要だったんだ!
と思えるほどの
幸福だったんじゃないですか?」
です。
現代社会でも、
私たちが求める「喜び」は
しばしば外部の条件に
依存しがちだと言う事
成功や富、
他人の評価などに基づく
一時的な喜びは、
永続的な幸福とは異なると言う事
ニーチェの思想に触れることで、
自己の存在や日々の経験を
深く見つめ直し、
自らの生き方に対する根本的な
肯定感と喜びを
見出していきましょう
と言っているのではないか。
私たちが毎日の生活の中で、
どのように真の喜びを
見つけ出し、
それを深めていくかを
考えるヒントを与えて
もらっていると思いました。
400ページ程ある本でしたが
軽快に読み進められ、
良い具合に入り込んで
のめり込みました
読後は清々しく良い本読んだな!
と感じました。
フリードリヒ・ニーチェの
『ツァラトゥストラはこう語った』
を理解したければ、
この本をどうぞと勧めたい。
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自己紹介
noteがスキ❤️になってきた。より
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