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店の在り方は、店主の生き方。

お仕事にてようやく独り立ちを果たし、
ひとりで車を運転して街に出るようになり早2週間。

そんな私の昼食はというと、
もっぱら、家から持参する手作り弁当。お財布にやさしい。

とは言っても。
地元を飛び出して都内で働いている関西人としては、
車を走らせながら目に入る数々のお店を前に、
「せっかくだから美味しいものを食べておきたい」精神を
はたらかさずにはいられない。

お仕事の引き継ぎを行なった先輩方からも、
「ここの料理が絶品」だの「ここは一人で入りやすい」だの
有力グルメ情報をたんまり下さるものだから、これもまた誘惑。

そんなわけで、
1週間の終わりの金曜日だけ、お弁当を作っていかず
好きなお店のランチをいただく。
週一のプチ楽しみを作りました。

今週のお楽しみランチは、パン。
二度三度と上司におすすめされていたお店、気になりすぎて行かない手はなかった。

サクッと軽い小洒落たパンとは毛色の異なる、
たっぷり食べ応えのありそうなパンたちが、手書きプレートとともに所狭しと並んでいる。
地元に愛される、昔ながらのパン屋さんというかんじ。

「焼き立て」プレートが付いていたベーコンチーズパンと
ザクザク食感にぎやかそうな胡桃デニッシュを手に取ってレジを済ませると、
店主の方とスタッフさんが一斉に声を揃えて一言。

「どうもー!ありがとうございましたぁーっ!!」
ここ、居酒屋さんだっけ。

若い女の子や、パートの主婦さんたちがレジをしている
比較的静かなパン屋さんしか知らなかった私は、軽く面食らってしまった。
ふと見ると、ちょうどパンを焼いていないタイミングなのか、
パン職人の方もレジ近くに立っている。
そのとき来店していたおじいちゃんと、軽く会話をしたりして。

パンを買っていく一人ひとりのお客さんの顔を見ながら、人と向き合いながら、これまでずっとパンを焼いてきたんだろうな。
その気持ちが滲み出て、店の雰囲気のあたたかさとなっているし、
お客さんが「また来よう」と思う原動力になっている。きっと。

ほっこりしたパン屋さんらしからぬ、威勢の良すぎるお見送りに
すっかり元気をもらった私は、
その一声を背に「さ、午後も頑張ろう。」と意気込む。

訪れたお店:パン工房 COMUS / 世田谷区奥沢

coco

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