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【感想】★★「小隊」砂川文次

評価 ★★

内容紹介

■ロシア軍が北海道に侵攻。元自衛官の芥川賞作家による衝撃作 ロシア軍が北海道に上陸。 自衛隊の3尉・安達は敵を迎え撃つべく小隊を率いて任務につく。 避難を拒む住民、届かない敵の情報、淡々と命令をこなす日々――。 そんな安達の〝戦場〟は姿を現したロシア軍によって地獄と化す。 軍事描写のあまりのリアルさに話題となり、 専門家をも唸らせた『小隊』に デビュー作『戦場のレビヤタン』を合本して文庫化。 「ブラックボックス」で第166回芥川賞を受賞、 元自衛官という異色の経歴をもつ作家が放つ、 衝撃の戦争小説3篇。

感想

とにかくテンポが悪い。
短編であるのに必要とは思えない描写がかなり多く感じられる。
表題作である[小隊]は、ロシア軍が北海道に進軍してくる直前から始まるが、なぜ攻めてくるのか? 世界からどのように見られているのか? というような背景が最後まで全く分からない。
戦争描写や情景描写は細かく描いているように思えるが、実際はほとんど情景が思い浮かばず、ただ文学っぽく書かれているに過ぎない。
人物描写も乏しく、登場人物が戦死してしまう時でも感情が揺さぶられる事が出来ない。
一番の難点は、物語を通して、軍事的な専門用語のオンパレードで読み進めるのが辛い。
元々の文章力はあると思うし、軍事面での博識さもかなりあると思うので、それを一般人でも分かり易く描いて欲しかった。
最後まで読んでも何を伝えようとしているのか分からなかった。
他の2篇も同様にテンポが悪く、せめて情景や時間軸などが変わるときには、休憩出来るように一行空けてほしい。

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