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【感想】★★★★「砂漠」伊坂幸太郎

評価 ★★★★

内容紹介

■入学した大学で出会った5人の男女。ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決‥‥‥。共に経験した出来事や事件が、互いの絆を深め、それぞれを成長させてゆく。自らの未熟さに悩み、過剰さを持て余し、それでも何かを求めて手探りで先へ進もうとする青春時代。二度とない季節の光と闇をパンクロックのビートにのせて描く、爽快感溢れる長編小説。

感想

大学生である西嶋が麻雀をやりたいが為に名前に東西南北が付くからと言う理由で相容れないような面子が集められた。個性の強い西嶋は、平和を願ってピンフ(平和)を狙うが全く上がれないというエピソードや西嶋が女性絡みのトラブルを抱えているという噂、連続通り魔「プレジデント」のニュースなど、様々な伏線が散りばめられており、それらを見事に回収していく。
麻雀メンバーである鳥井の予期せぬあまりにもショッキングな出来事などがあり、途中まで軽快なノリであったのが、急転シリアスになっていく。
この作品は、伊坂作品の中でも特に好きな小説で、伊坂ワールド全開の個性の強いキャラクター達が立ちまくり、ジーンとさせてくれる秀作。
タイトルの「砂漠」の由来となるエピソードは、サラッとしていてインパクトは薄いかも知れないが、逆にそれが胸に残り、個人的には非常に好き。
夢がある人や何かに向かって進もうとしている人の背中を思いっきり力任せに押してくれるような作品である。
「人間その気になれば、なんだって出来る」

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