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手が届かないこと

20年、生きてきた。

短く、そして長い。
叶えたいことがたくさんあった。叶ったものもあったし、叶わなかったこともあった。

小学校のマラソン大会で一番になりたかったけれど、最高で2位だった。

中学校で参加した英語暗唱大会で、負けた。悔しかった。

高校では初めての彼氏にフラれた。病んだ彼氏にフラれ、泣いて、逆にこっちも病んでごはんが美味しくなかった。

大学では中国語にハマった。おもしろくてたまらないけれど私が知らないことがたくさんありすぎて、この世界は私が死ぬまでわからないことだらけなんだなと思った。

文を書くことが好きだけど、周りを見れば私よりも上手な人なんてたくさんいて。私なんてこれっぽっちの存在だけど書くのは楽しいんだよなとかメンヘラチックに思うこともあった。ある。

手が届かない。
どれだけ叶えたくても、望んでも、振り向いてもらえない。
私がどれだけ頑張っても手に入れられないことがあるんだとわかってきた。悔しいけれど、ああ欲しかったなと思って手を離すこともあるんだと気が付いた。

望んでなかったけれど、私のもとに来てくれたものもあった。
中学の英語暗唱大会で負けた相手はなぜか私と同じ高校になった。絶対に仲良くなんかできないと思っていたけれど、今では私の大切な友達になった。とても好き。

楽しかったことだけじゃ私はその楽しいの良さとか、つらくてもその1カ月後くらいにはけっこう復活できる私の単純さとか、ちょっと大人になったときに自分のめちゃくちゃな小さいころを愛おしく思えるとか、そういうの、多分わからなかったと思う。

手が届かなかったこともあって、届いたこともあった。

全部が叶ったわけじゃないから出会えたこともあった。

人生は目に見えないけれど、なんかこうフワフワしていて、パフェの食品サンプル触ってるみたいなカチカチとプニプニな部分があるイメージ。

手が届かないことも、人生アリだなと思っている。

ちょろい女子大生の川添理来です。