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夏のわたし

用事があったので久しぶりに電車に乗って3つ先の駅まで行った。

先週のうちに夏のワンピースやシャツを出して洗濯しておいた。アイロンをかけるのを忘れていたので、とりあえず一番好きで絶対に今日着たいと思っていたワンピースにだけ軽くかけた。

新しく買ったスニーカーと鞄と、目を細めるくらい眩しい陽ざしが自転車のペダルを軽く感じさせてくれる。

少し前は桜並木だった道が緑になり、葉は日陰をつくる。

段差を越えると自転車のカゴに入っていた鞄が軽く跳ねた。

喉が渇いたからコンビニで三ツ矢サイダーを買った。

お母さんから「理来は文章が上手いのだから何か書いて発表した方が良い」と気まぐれなメッセージが来ていた。
実はもうやってることを教えてしまうと、絶対に見せてほしいと言われるから秘密にしておく。

太陽がどんどん上がっていって、汗ばむのがわかる。
サイダーはすぐに飲み終わってしまって、お腹がぽちゃぽちゃ鳴る。

茶色のスニーカーは新しいのにもうつま先が土で汚れている。

それでも今日の私は可愛いからまあいいか、と忘れることにする。
正直に言うと、一年の中で夏の私が一番可愛いと思う。

変なことを言ってると思うだろうけれど、本当にそう思ってる。

暑さでやられたんじゃないかと思うでしょ、そんなことないよ。
まだ夏は始まったばかりなんだから。

ちょろい女子大生の川添理来です。