見出し画像

誕生日おめでとう

先日、恋人の誕生日をふたりでお祝いした。

私なりに懸命に考えて準備した。友人に相談して、アドバイスももらった。
恋人が欲しがっていたプレゼントを用意して、ケーキも予約した。

手紙は何枚も書きなおした。書きながら私と彼の時間を思い出して、彼が私にしてくれたこと、かけてくれた言葉、手のぬくもりとかを考えると涙が出てきた。涙をぬぐった手で手紙を触ったら濡れてしまって、また書きなおした。

プレゼントと手紙を渡すと、彼は真っ先に手紙を読み始めた。
手紙をめくって目をごしごし擦るから心配すると、「なんでもないよ」と言われた。泣いてるの?と聞いたら「泣いてないよ」と言いながら涙を拭っていた。

プレゼントの時計も喜んでくれて、その場で付けてくれた。

そしてまた手紙を開いて、「泣きそうになる」と言ってくれた。いつもは何でもかんでもテーブルの上に置きっぱなしにするのに、手紙は手帳の中に閉まっていた。

私の書いた手紙で泣いてくれるんだと、心から嬉しく思った。

ケーキに名前の書かれたプレートをのせて、ろうそくに火をつけた。ハッピーバースデーの歌を歌ってあげた。ケーキは切るのがめんどうだからそのままフォークで食べた。

ふたりで写真を撮ろうと言いたかったのだけど、恥ずかしくて言えなかった。とても良いタイミングだっただろうし、ここで撮らなくてどこで撮るんだよと思うだろうけれど、なぜか勇気が出なかった。

お互いにたくさんお金があるわけでもないし、超有名人とかじゃないし、とびぬけた才能とかもないと思うけど、でも、2人でいたらとても幸せな気持ちになれる。

生きる意味ってわけじゃないんだけど、2人でいたらすごく楽しいし、喜んでもらえたら嬉しいし、どうでも良い事がおもしろく感じるし、落ち込んでた理由もどこかに行ってしまう。

だからこれからも、ずっと手を繋いでいられたらなと思う。

ちょろい女子大生の川添理来です。