見出し画像

ぎゅっと掴んだまま、離さないでいて

私はあなたをぎゅっと掴んでいるから、あなたは私のことを離さないでいてほしい。

一人じゃ生きていけなくて、あなたに引っ張ってもらって、あなたに見守っていてほしい。

私のことを忘れないでいてほしくて、私が必要としたときはちゃんとこっちを見てほしい。

私がああどうしようと悩んだときは蜂蜜ジンジャーの紅茶を淹れてほしい。疲れたなと思ったら肩に頭を預けさせてほしいし、二人で歩くときは腕をからませるから拒まないでほしい。

もう大人なのだからと思うかもしれないけれど、あなたには私がとても弱いことを知っていてほしいし、私が寝返りをうってベッドからお気に入りの人形を落としたときは拾って私の腕の中に戻してほしい。

私は心の成長が遅いからあなたの手を握ることしかできないけれど、私の手があなたの手を握る意味を懸命に伝えるから、あなたはそれをわかって、私を離さないでいてほしい。

わがままだなと笑っても、依存だよと言われても、私はあなたのことを離すはずがないし、あなたも私を離さないでいてほしい。

重いと言われても、重ければ重いほど良いのだから他を見ないで私だけを見てほしい。

どうしてそんなにと言われるけれど理由なんて自分でも、ましてや他の人にわかるわけなどない。理由がわかったとして私はこれを変えることが出来ないのは簡単に想像できるし、やめたいとも、悪いとも全く思わないのだから永遠にこのままで良いと思う。依存する癖は昔からあった。けれど依存が悪いことだと思わなかったし、私の好きな人や好きなものに囲まれていることでとても安心できて、その外で傷ついても戻ってくれば良いのだから私はそれを強く望むようになった。

一人でいても受け皿を思い出して、反芻して、それで生きていた。他の人なんてどうでもよかった。私は弱い生き方をしているのかもしれないけれど、生き方に強いとか弱いとかあるなんて私が今まで読んできた本には書いていなかったから誰かの独り言程度なのではないかと思う。

弱い私をずっと隣で助けてほしい。

あなたになら、まだ子どもだね、自分がいないとだめなんだねと言われても良い。そうだよと返すから頷いてほしい。

倒れそうになることなんてあなたがいるから滅多にないけれど、もしそうなったときは一緒に倒れて笑ってほしい。

あなたがもし躓いてしまったら、役に立つかわからないけれど、強く強く引っ張るから私の手を選んでほしい。

私はあなたをぎゅっと掴んでいるから、あなたは私のことを離さないでいてほしい。

ちょろい女子大生の川添理来です。