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理想の結婚

ふたりでテレビを見て笑って、車で歌を歌って、「ご飯最高に美味しいよ」と声をかける。

私のおじさんとおばさんはとても仲が良い。
ときに喧嘩もするしグチもあるけれど、一緒の趣味があって、暇なときに電話をかけあって、好きなお菓子を買ってストックしてあげる。

これが普通の夫婦なのかなと考える。

小さいころから父と母の関係は良くなかった。
私の前では父は父で、母は母であったけれど、父と母ではなかった。ふたりは既に離れていて、でも私たちのためにふたりでいるふりをしていたのだと思う。離婚を告げられたときは、そうだよねと納得した。

父と母が仲良さそうにしているのなんて私が幼いころの写真でしか見たことがないし、会話も少なかったし、ふたりで笑っているのなんていつが最後だったのかと思う。

寂しいと思ったことはなかったし、それが普通だと思ってきたけれど。
友達の話を聞いたり、ご両親に会ったり、おばさん夫婦と一緒にいると、私の親は離れていたのだと感じる。

自分の将来を考える。
結婚したいし、いつまでも仲良くいたいし、子どもも欲しいと思う。ステレオタイプのいわゆる幸せな家庭が欲しい。

両親がそうでなかったから、私はそうなりたいと願う。

名字も変えてしまいたい。
まだ父の姓を名乗っているけれど、この名字は私にとって何の意味もない。父方の祖母が弟に「あなたはこの家の子なんだからね」と手を握って話すのを見て、ここから離れたいと思った。

結婚が幸せって訳でもないよと言われても。それでも私にとって結婚はとても大事で、私は誰かと一緒に幸せに生きたくて、おじさんとおばさんのように楽しく生活したいと祈っている。

固執している、と言われてしまうのだろうか。

結婚するのがゴールではなくて、その後も変わらない関係でいられたら。

いつか私と結婚する人にもそう願っていて欲しい。永遠に。

ちょろい女子大生の川添理来です。