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19ベトナム進出|営業許可が取れない時の対処法


■このマガジンについて

ベトナムホーチミン市にネイルサロンをオープンしたのは、2016年8月。
フリーフォトグラファーとして日本で気ままにやってきた私が、ベトナムで1からお店を作って、スタッフを持つなんて考えた事がありませんでした。
でも、あるとき海外でチャレンジしたい病にかかってしまったのです。
それからは、新鮮で刺激の多い日々...。


全てが初めてでどれも大変な作業の連続。落ち込む事も多いけれど喜びの方が多いんです。
だって、毎日楽しいんだもの。


■ライセンスが取れないとそもそも無理だ!


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ベトナムホーチミン市 42Nguyen Hue(グエン・フエ)アパート。
このアパートはサクセスストーリーが生まれる場所と言われている。

私はここでネイルサロンを作りたいと、方途を尽くし、物件のキープまでこぎつけた。

あとは私が作った賃貸契約書にOKがでれば、双方のサインを記入するだけ!
いよいよ、契約完了が近づいてきた!!

契約するのはこの部屋↓

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私の恩人でサロンオープンを色々手伝ってくれたNgocさん(ゴック)は朝一番に私を見るなりこう言った。

ゴック:優子さん、物件オーナーのクンさんは私たちが作った契約書を確認し、OKだと連絡がありました。

私:ほんと!やったー!!これでひとまず安心して日本に帰れるよ。

ゴック:はい。そうです......が前に少し話しましたね。
あのアパートは住居用で商用ではありません。


おいおい。この感じ。ゴックさんが遠回しに話をする時はだいたい困った事がある時なんだけど...?

私:ゴックさん、なにか気になることがあるの?

ゴック:はい。クンさんは部屋を貸したいですが、ライセンスを取って証明書を添付してほしいと言います。ですが、アパートは住居用ですから、この住所でライセンスは取れません。

私:えぇ。。そうなんだ。確かにライセンスはほしい。でもどうしたらいいのか...。

ゴック:クンさんは昔、政府の人間から嫌な目に合わされたと言っていました。もう面倒は嫌だから、部屋を貸すならライセンスを取ってほしいと言います。

そっかー。ライセンスかぁ。
日本で言う「営業許可書」的なもの。
そりゃ必要だわ。。

私:ゴックさん、私もライセンス取りたいよ。ちなみに、今アパートにはたくさんcafeや色々なお店があるけど、みんなどうやってライセンス取ってるの?

ゴック:おそらくですが...ライセンスを持っていないお店も多いと思います。

私:えええ!!?無許可営業ってこと?

無許可営業は、いくらなんでも無謀だ。
私は外国人。
なにかあった時、私の力では解決出来ない。

物件にまつわるいままでの道のり
物件探しから半年以上を費やすが、条件に合うものに巡り会えない。
②路面の良物件を見つける!そこで一旦契約するも4日後契約解除
③意気消沈。日本に帰国し、振り出しに戻る。
④ゴックに連れられ、心を癒やしにグエン・フエアパートに遊びに行く。
⑤このアパートはサクセスストーリーが生まれる場所と知り惚れる。
⑥ここからスタートしたいと、全フロアを回り空き部屋を探す。
⑦空き部屋を見つけられず、またも意気消沈。あきらめかける。
ジュース売りのおばさんに出会い、アパートの空き部屋が秒で見つかる。
⑨物件オーナーに契約書が無いから作ってと丸投げされ、必死に作成する。
政府から、アパートの取り壊し計画が出ていると知り、最大に落ち込む。
2年は大丈夫だろうと助言を受け、契約すると覚悟を決める。
⑫このアパートの住所で営業許可が取れないと知る(←イマココ)

契約成立まであと少しなのに、ホント毎日がジェットコースターだぜ...。


■ライセンス問題解決は早かったが、結局罰金を取られる。


グエン・フエアパートは住居用。
あの場所でのライセンスは取れないかぁ... 。

私は、これからも日本在住で、遠隔経営すると決めているしなぁ。
ホーチミンに事務所を借りるならそこの住所で会社登録するんだけど......

そんなことをふわふわと考えていると「は!」っとひらめいてしまった。

「あの場所でライセンスが取れないだけで、他の場所でライセンスを取ってアパートは支店扱いにしたら問題ないんじゃね?」


私:ゴックさん、ライセンス登録が出来る場所を別に借りて、アパートは支店扱いにしたらいけるよね?

ゴック:ああ!Nice Idea!! それなら多分登録できますね!

私:お!やっぱりできるかも!?あなたの会社の住所を間借りしてもいい?私もその方が安心です。

ゴック:もちろん!優子さんならいいですよ。念の為、すぐに行政サービスの会社に確認します。

その後、行政サービスの会社からもOKの返事があり、ライセンスも問題なく取れ、契約は無事に成立した。


インプットしたこと
・住居用のアパートはライセンス許可が取れない(日本もそうだね)

・出来ないことにぶち当たった時、一旦諦めて別の方法を考えてみるといいかも(ストレートがダメならフックやアッパーで攻める的な)


■■後日談■■

ホーチミン市1区には、住居用の古アパートをリノベーションしたお店がいくつかある。


その中でも、42グエン・フエアパートは、特に有名アパートだ。
当然、取り締まりも厳しく、定期的に公安警察が見回りに来る。

お店オープンから2ヶ月後のある日、公安警察が5,6人の集団でお店に来たことがあった。

「ライセンスがあるか?」「違法な商品を販売していないか?」を確認するために、店舗を見回っていたのだ。

ちなみに、もし違反がみつかれば罰金対象。


スタッフは罰金を取りに来たと心配していたが、私は「この店はライセンスがあるから大丈夫だよ」となだめていた。
しかし、結局15,000,000vnd(約70,000円)の罰金を取られた......

罰金理由:スタッフの健康診断表をお店に置いていなかった為


実はこの時、私は日本にいて、モニター越しにリアルタイム映像を見ていた。

幸いお客様はお店に居ないタイミングだったけれど、スタッフもビビって、受付カウンターの端に固まっている。


モニター越しで見ることしかできない歯がゆさと、何かされるのではないか?という不安で私はおろおろした。

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20分くらいかかっただろうか。
一通り店内を見て、何やら紙に書いたあと、彼らは店を出て行った。

そして、帰り際にこう言ったらしい。

【【【 お金を払ったら、2年はこの店に来ないと約束するよ 】】】

これは本当の罰金なのか?それとも...いわゆるワ○ロというやつ.......???

私はゴックさんに相談し、彼女は罰金を届けてくれるサービスの会社を手配してくれた(そんなサービスあるんだと初めて知った)

そして翌週、その会社のスタッフだと名乗る2人組はバイクでお金を取りに来て、足早に去っていった。

罰金を届けてくれる彼女は「7万円を払った証明は出ない」と言うので、私はとっさに証拠をのこしておかないとと、「お金を受け取った」紙に書いてサインしてもらっている場面を撮影した。

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これらは何かあった時のためにと残しておいたけれど、罰金は無事に届いたようだ。
(あれから公安警察が来ることはなかった)

ライセンスがなかったら、もっと高かったかもしれない。
でも、健康診断書が店に置いてあったとしても、別の理由で罰金だったかも?

とにかく少なく済んだようだが、もやもやが残る一件だった。

インプットしたこと
・抜き打ち検査には公安警察が集団で来る。怖い!

・お金を届けてくれるサービスの会社がある。
(個人でやるより、そつなくこなすサービスに任せたほうがスムーズ)

・ぬかり無く準備をしたつもりでも、思わぬ事で違反を突きつけられる事がある。

・ベトナムで仕事をするなら、ベトナムのルールに従おう。
(いらっとするけど、逆らっても勝てないので反抗しない方が早く済む)




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