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#44 共働きが普通のベトナムでは、サクッと帰せたい

■このマガジンについて

ベトナムホーチミン市にネイルサロンをオープンしたのは、2016年8月。
フリーフォトグラファーとして日本で気ままにやってきた私が、ベトナムで1からお店を作って、スタッフを持つなんて考えた事がありませんでした。
でも、あるとき海外でチャレンジしたい病にかかってしまったのです。
それからは、新鮮で刺激の多い日々...。


全てが初めてでどれも大変な作業の連続。落ち込む事も多いけれど喜びの方が多いんです。
だって、毎日楽しいんだもの。


■子育てしながら共働きが普通のベトナム

ベトナムホーチミン市、42Nguyen Hue(グエン・フエ)アパート。
ここはサクセスストーリーが生まれる場所と言われている。
ベトナム政府によって近々アパートが取り壊しになる計画が出ている。

それをを知りながら、私はここでネイルサロンを作ることに決めた。

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ベトナムでは、子供がいながら共働きをする夫婦がたくさんいる。

今も3世代が1つの家で暮らすのも当たり前。
子供のお世話は、家族全員で面倒を見るし、それがふつうの国だ。

私のビジネスパートナーNgoc(ゴック)さんを例にすると、彼女の実家にはご両親、姉夫婦と2人の娘、ゴック夫婦と1人娘。

合計9人で一つの家に住んでいた。

ちなみに、姉夫婦、ゴック夫婦も共働き。

日中、子供達はゴックのお母さん(おばあちゃんに当たる)が面倒を見ていて、食事の支度時間になるとお手伝いさんが来る。

働き盛りの世代は外に出てお金を稼ぎ、家事育児は家族全員とスポットでお手伝いさんにお願いするという構図だ。

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しかし、ゴックだけが特殊なのかもしれないと、ネイリストにも家族事情を聞いてみたことがあった。

何世帯で暮らしているの?

スタッフA:私は姉夫婦と私の両親と暮らしているから、3世帯です。

スタッフB:私は、旦那の両親と暮らしていたけど、あまり仲が良くないから1世帯です。でも、ご飯は実家で食べるし、すぐ近くに暮らしています。

スタッフC:私はまだ独身だから、友達と一緒にアパートをシェアしています。
子供は誰が面倒を見ているの?

スタッフA:姉と母が子供の面倒を見ながら家で仕事をしています。

スタッフB:2人の子供は小学生です。学校が終わったら旦那の両親の家で面倒を見てもらっています。主人と私は仕事帰りに実家へ迎えに行きます。

スタッフC:私は独身だから子供もいないけど、田舎に返ったら姉の子供とよく遊びますよ。
まだ小さい子供がいるけど、フルタイムで働くのはどうして?

スタッフA:私は家族が多いですから、みんなで助け合っています。働ける時に一生懸命働いて、もっと暮らしを豊かにしたいからです。

スタッフB:旦那の両親とはあまり仲がよくないのもあって、外で働きたいです。その方が気分転換になるし、友達もできます。ずっと家にいるのは私にとって辛いです。

スタッフC:私は独身ですが、姉は子供がいます。でもフルタイムで働いていますよ。姉は家族の中で一番給料をもらっています。だから、子供はみんなで面倒を見るのが当然です。

それぞれの家族構成や事情は違うが、家事・育児は家族全員で分担するのがどこも同じだと分かった。



■サクッと帰らせたい理由

私達のネイルサロン「KawaiiNail&Eyelash」の営業時間は9時-19時だ。

「営業時間ちょっと早くない?」
「20時くらいまで開いてないと、仕事帰りに行きにくいよ」
などのお言葉をいただくことがある。

確かに、一般的なネイルサロンは10時オープンが多い。
20時、21時までと遅くまで開けているサロン、閉店後にもお客様の為に残業するサロンがたくさんあるのは知っている。

お客様にとって時間の選択肢が広いほうが重宝いただけるだろう。

しかし、共働きが多いベトナムの家族構成や、子育て中のネイリストの事を考えて私はこの時間に決めた。

9時-19時の営業時間に設定した理由①
ネイリスト3人の内、2人は子持ち。ママでもしっかり働いて、夕方には帰れるようにしてあげたかったから。
勤務はA:9時-18時とB:10時-19時のパターンに分けて交替制にした。
今日はAさんが早く来る日、明日はCさんが。という具合にスタッフ間で決めてもらう。
調整できるのが良かったみたい。とても喜ばれたし、メリハリがついた。


また、ベトナムに恋をし、ベトナム各地を旅しまくっている私。

観光のお客様にとって、時間のロスが少ないスケジュールが組めると、めちゃくちゃ一日が充実することを知っている。

9時-19時の営業時間に設定した理由②
私のお店は観光のお客様が9割。観光のお客様は朝から予定がびっしりだ。ネイルは2時間近くかかるので、オープンは早い方が良いはずだと思ったから。

実際稼働したら9時からの予約がとても多かった。
9時-11時:ネイルを楽しむ。
11時-12時:グエン・フエ通りのホーチミン像周辺で記念撮影。
12時-15時:ドンコイ通り(グエン・フエ通りの隣)でランチと買い物。
観光のお客様は、こういった時間配分で旅行を楽しんでいたようだ。


多少の残業はあったが、基本は就業時間にガッツリ働き、定刻になるとサクッと帰れていたスタッフ達。

帰った後も忙しい彼女達が、毎日機嫌よく働いてもらえる事が私にとっては重要な事だった。

そうじゃないと、どこかのタイミングで辛くなると思う。

9時-19時の営業時間に設定した理由③
私たちのお店がある42Nguyen Hue(グエン・フエ)アパートは夜になるとお客様は増えるが、カフェや飲食店だけが賑わっていて19時以降にネイルをしに来るお客様が少ないと判断したから。

営業を開始すると、9時〜15時の間が一番予約が多かった。
やはり営業時間の設定は最適解だった。
ちなみに、ずっと9時-19時の営業時間にしていた訳ではない。
季節のイベント前は9時-21時までの延長営業をして調整していた。
テト(旧正月)、バレンタイン、ハロウィン、クリスマス、女性の日など。


■ベトナムでは朝が早いから、毎日徳を積める


ベトナムの朝は早い。
6時にもなれば、多くの屋台が開店し、ベトナム人が朝ごはんを食べている。
未だ観光客が来ない早朝、市場には多くの魚や肉が並び、日が登るまでが勝負とばかりに、客と売り場のおばさんがせわしなく動いている。

そして、気温が高くなると共に、客足は減っていく。

そして、7時になるとバイクの群衆が主要な道路を埋め尽くし、車と車の間をすり抜け、歩道だろうがお構いなしに走っていく。

ベトナムでは、おおよそ8時-17時の勤務形態が多く、まだ明るいうちに仕事を終わらせる。


家に帰り家族の面倒を見たり、デートを楽しんだり、掛け持ちの仕事に向かったりと彼らのアフターワークは様々だ。

ちなみに、日本では8時ごろまで寝ている私も、ベトナムにいる時は6時前に目覚めたりする。

暑くて寝ていられないのが大きな理由であるが、仕事の開始時間が早まることで、夕方からのホーチミンライフが充実するからだ。

ベトナムの朝は早い。

「早起きは三文の徳」というが、ベトナムにいれば、私は毎日徳を積める感があって気に入っている。



KawaiiNail&Eyelash sns (@kawaiisaigon)

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