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お店の壁の色を決定するのに翻弄された話

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ベトナムホーチミン市 42Nguyen Hue(グエン・フエ)アパート。
このアパートはサクセスストーリーが生まれる場所と言われている。
私は、ここでネイルサロンを作るために、現地ベトナム人と一緒に走り回る日々...。


壁面の色を選ぶのは結構難しい


なんだかんだありつつ、工事も7割ほど完了した頃。
壁面の色塗りがはじまりました。

もともとは赤茶色のような壁だったこの物件↓

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こんなに濃い色はサンダーで削れるのだろうか...。

私:たんくん。この壁の色、私はサンダーで全部削るなんて無理だと思う。

タン:結構濃いし、壁はちょっと凸凹してるしね。難しいね。
だから、上からモルタルを塗って平にするって管理者が言ってたよ。

私:天才がおった...!

なるほど。サンディングするには時間も労力もかかるから、上からモルタルを塗れば早いってか。勉強になったわ!

そして、赤茶色の壁に白のモルタルが塗られ、凸凹部分はサンディングをして平らに↓

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施工工事はいままで経験したことがなかった私。
図面と違う事になっていたり、備品を壊されたり色々あるけれど、現場で毎日工事を見ていると勉強になることも多い。

そして、最後はつじつまを合わせてくるベトナム人。すごいなと関心します。


タン:さて、ここから、白の塗装をして、壁を真っ白にするよ。

私:うれしいな。空間が出来上がってくるね!

タン:CGパースでは1壁面はブルーになってるけど、どんな色にする?

私:そうそう!ペンキを選ばなきゃね。

私達は完成イメージのCGパースとペンキのカラーリストを見ながらどれにしようかと迷っていました。

完成イメージCGパース↓

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ペンキのカラーリスト↓

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私:CGパースの色は青みのかかったグリーンだけど、私のイメージはもうちょっとブルーなんだよね。

タン:そうなの?

私:うん。この空間でお客様にはリラックスしてほしいからヒーリングカラーのブルーにして、椅子の生地とコーディネートしたいの。


椅子の生地とは、私がベトナムでオーダーしている椅子に選んだ布の事。
このストライプにマッチする壁面カラーにしたいとペンキを選びました。

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お客様が座る施術椅子を全部オーダーしたときのお話はこちら

そうして、選んだ色がこちら↓

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私:塗ってみたらどんな風になるかな。ワクワクするね。

タン:そうですね。ワクワクするね。

私/タン:ワクワク...。


カラーリング開始!


しばらくすると、工事のおじさんはペンキを買って戻ってきました。

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工事のおじさん:ペンキは今から塗るけど、この色でいいね?

私/タン:はい。お願いします!
(生地にもピッタリの色じゃん!ワクワク)

そして塗り始めるお兄さんたち。うんうん。いい感じの色!↓

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そしてテストで2度塗りしてもらって乾いた色がこちら↓

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私:え?薄くね??

タン:ちょっと薄い色だね。白とそんなに変わらないねhihi

私:ペンキって、乾くと色が薄くなるのか...。(深く考えていなかった...)

タン:どうする?色変える?っておじさん聞いてるよ?

私:ごめんなさい!色変えたいです(泣)

ペンキを買ってきてくれたおじさんは、えぇ〜。色これって言ったじゃーん!という顔をしながら、「自分達でペンキを買って来たら塗り直ししてあげる」と言ってくれました。

これは、今すぐにペンキを買いにいかなければ...!!

私:タンくん、バイク出して!ペンキ買いに行こう!ごめん!

タン:はい。わかりました。いつもの事だから、もう慣れたねhihi



壁は塗り直し!ペンキを買い直しに走る!



タンくんのバイクに乗せてもらってペンキ屋に来た私達。
早速色見本を見せてもらいます。

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私:今度はもうちょっと濃い色にしないと。

タン:そうですね。今の壁色は全然ブルーって感じ無いもんね。hihi

私:ぐぬぬ。


ペンキ屋でペンキを注文してお会計している間、おばちゃんに力を貸してほしいとチェーンを切らされているタンくん。
(ベトナムでは助け合いの精神が強いです)

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私:おじさん、おまたせ!ペンキ買ってきました!!(ハァハァ)

おじさん:はい。ご苦労さま。じゃあこれで塗るからね。


最初のペンキと比べてみると結構濃い目↓

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そして塗り終わったすぐがこちら↓

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まだ完璧に乾いていないけれど、今度は良さげ!良かった〜!

タン:ゆうちゃん、ペンキは結構余ったけど、どうする?

私:それなら、外の壁もこの色に塗ってほしいな。

タン:OK. 僕もそれが良いと思います。



いろんな壁がブルーにリニューアルされてしまった


外の壁は今後スタッフにかわいい絵を書いてもらう予定だし、ブルーの壁にしておいたら、きっとかわいいだろうな(ワクワク)

そして仕上がったブルーの壁↓ 

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私:綺麗に仕上がったね!

タン:うん。そうだね!隣の家との分かれ目できっちり塗ったねhihi

私:ほんとだね。まぁ。それは仕方がないか。

タン:ところで、サービスでここも塗ってくれたよ。

私:え?どこ?


そしてどこをサービスで塗ったのか確認すると...
店までの通路もブルーに塗られていた↓

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私:え。これは、ちょっと...。

タン:え?だめだった?

私:うん。イメージとして、ここはブルーじゃないのよ。白なのよ。

タン:え?何がだめなの?


良かれと思ってブルーにしちゃったベトナム人施工担当者。
でも、ここは白がいいんだよ。。

この壁までブルーにしちゃったら、全部ブルーなイメージになっちゃう。
白とブルーの絶妙なバランスが大事なのに...。

ここはブルーじゃないんだよ。と説明しても「なんでだめなの?これでいいじゃん」と私の白壁へのこだわりに納得いかないベトナム人たち。

うーむ。この感じ。言葉では上手く伝えられない...。

私:タンくん。良かれと思ってここはブルーにしてくれたよね。

タン:はい、そうですよ。綺麗になったってみんな言ってる。

私:ブルーに塗ってほしいのは外の壁だけなの。悪いんだけど。私は気に入らない。ここは白に塗り直ししてください。(鬼の心)

タン:わかりました。ゆうちゃんがそう言うなら、白のペンキを買って塗り直しします。

ごめんね。みんな。

ブルーに塗ってほしいのは、外の壁だけ。と、もっとわかりやすく、はっきり言えばよかった。

指示していない部分を塗ったのは彼らだけれど、良かれと思ってやったこと。私は上手く伝える方法がなかったのかと反省しました。

日本とベトナム。育った国が違うと、文化、美意識も当然違います。

私が、この工事で学んだことは、自分の作りたいイメージをベトナム人のみんなに伝えることの難しさでした。

自分の中にある感覚的なモノ・コトを、言葉や視覚的道具を使ってどう伝えるか。

7月から8月中旬の約1ヶ月半、日本の仕事をなんとか調整してベトナムの工事立ち会いをしてきた私。

言葉が通じない。文化も価値観も美意識も違う相手に、自分の意思をどう伝えるかをこの時、1から学んだ気がします。


おまけ


白→ブルーになった壁。そしてまた白に塗り直し↓

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何回色を塗るんや...。

タン:塗り直ししたよ。こう見たらやっぱり白のほうがいいね。hihi

私:そうなのよ。ここは白なのよ(泣)理解してくれてありがとう。

タン:ところで、白のペンキは新しく買ったから、また余ってるよ。

私:そうか。それなら、鉄扉を白にしてもらおう!

そして、ホコリまみれで黒かった鉄扉はきちんと清掃後、白に塗ってもらいました。

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タン:ゆうちゃんは、有効利用が上手だねhihi

私:うん。ペンキも無駄にしたくないからねhihi


このマガジンについて


ベトナムにネイルサロンをオープンしたのは、2016年8月。
このマガジンは私がベトナムでネイルサロンを作るまでの過程や苦労話。
また軌道に乗るまでの道のりをまとめています。

フリーのフォトグラファーとして気ままにやってきた私が、1からお店を作って、スタッフを持つなんて考えた事がありませんでした。
でも、あるとき海外でチャレンジしたい病にかかってしまったのです。

それからは、新鮮で刺激の多い日々...。
全てが初めてでどれも大変な作業の連続。落ち込む事も多いけれど喜びの方が多いんです。

だって、毎日楽しいんだもの。

毎週金曜更新中!

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