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Welcome Letter

2週間ほど前、甲府で行われたイベントに顔を出した時、ある男性とお話しした際に、“この宿では、日々頑張っている人に羽を伸ばしてもらいたい”と私が口にしました。それを聞いて男性は、
「羽を休めるではなく、伸ばすなんだね。」
と返したのです。

確かに。

ぽろっとこぼれた一言でしたが、それに違和感を覚えた私は、なぜその言葉が私の口から出たのか、“休める”ではなく“伸ばす”だったのか深堀してみることにしました。理由なんてものは後からいくらでも付け足すことができるので、今から読み進める文の中にはたくさんの肉付けがしてあります。ただしそれが、私にとってはとても重要なことであり、今後の指針にもなりうるものとなりました。

まずは言葉の意味として、“羽を伸ばす”と“羽を休める”の違いについて知る必要があると感じました。感覚的に使用していた言葉の意味を、いざどういう事柄を示すのか説明してくださいと言われると難しいことがあります。

【羽を伸ばす】
意味:自由、気楽になって、思うように振る舞う。はねを広げる。
例文:休暇をとって羽を伸ばす。

【羽を休める】
意味:鳥が飛ぶことを止めて休憩すること。比喩的に人が仕事を中断して休憩することを言う。
例文:羽を休めてお茶にしよう。

コトバンク

上記のような意味合いで考えてみると、私の口にした言葉は案外間違っていなかったのだと思います。“羽を伸ばす”は、ある種の柵から抜け出すこと。“羽を休める”は、今行っていることを中断すること。そしてそれは、しばらくすると再開しなければならないことが後ろにくっついてくるわけです。

この宿には様々なかたちのゲストがいらっしゃいます。大家族の8人、同じ大学の6人、しっぽりした大人旅の4人、2組の家族やカップルでお越し頂いたりすることもあります。それぞれがその時々の日常を抜け出してここまで来てくださっていて、いつもとは違う感覚を持って滞在してくれています。

ここまで比喩的に使用してきましたが、実際に羽を伸ばしてみるとどうなるでしょう。
端から端までの全長や、どんな姿かたちをしているのかがわかってきますね。よく見てみると内側の色は違うかもしれません。意外と傷ついていることや、羽が抜けている部分に気づくこともあるでしょう。

私が伝えたい”羽を伸ばす”は、ご自身を見つめていただくことです。そして羽を広げた時の美しさにもう一度気づいてもらう事です。

そして宿での滞在を終え帰路に着くとき、いつもの日常に堂々と戻っていってください。


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