追われる命
本日の最高気温は33℃となりました。今年の暑さは異常だそう。地元の方もこのうだるような暑さに気が滅入っている様子で、からっと晴れた空と“お前たちはちっぽけだなぁ”と言わんばかりの入道雲だけが、この夏を楽しんでいるみたいです。
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rootfieldには、1棟貸しの古民家と【古民ピング】と呼ばれる“離れ”があります。
https://komimping.com/
こちらは愛犬と泊まれる宿として2021年の11月よりオープンしています。ドッグランも併設しているこのサイトのある場所は、元々雑草が茂っているだけの土地でした。そこを草刈り機で切り開き防草シートを張り、その上に瓦チップを敷いて現状の形ができています。
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ここで厄介なことが一つ。
防草シートの網をどうやって搔い潜ったのか、小さな雑草の芽が一つ二つと出てきて、気が付くとあっという間にサイト全体に広がっているのです。
温かくなり日照時間も長くなったからか、5月頃から抜いても抜いても三日後には緑がちらつく始末。除草剤を撒いたりしましたが、ここ最近は諦めて芽が出たら抜くようにしています。
根っこからスッと抜けてくれるものもあれば、全く抜けないものもいて。
抜いては生え抜いては生えを繰り返す、追いつけ追い越せの日々。
私が追う側で、彼らが追われる側。
追われる命を前に、取り除く所業をしている自分を顧みれるほど達観していない私の心は、無造作にそれらを引き抜くことができます。無くなったように見えてもきっとまた生えてくるものですから、その時再度私と鉢合うのです。30ℓのビニール袋に大量に入った雑草たちは、臆すことなくそこに在り、私に引き抜かれる日を待っています。
いつかこの作業から解放される日が来るのか、それともこの途方もない追いかけっこは、私が望めば続いてくれるのか。彼らを掴んで、軍手越しにチクっとする度思います。
追われる命、終わるな命。
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