久瀬 睡

Kuze Nemuru

久瀬 睡

Kuze Nemuru

最近の記事

ネガティブから生成される文章しか書けない話

今まで書いた文章は、ネガティブな感情から作られたものでした。 僕の中で文章を書く行為というものは、自分の記憶を視覚的に保存するための外付けHDDです。それが詩だとしても、小説だとしても、某青い鳥だった媒体としても。 日記とはまた違って、書く内容は今日の出来事だけに限らない。 誰かにどう思われてるかわからなくて怖い、であるとか。あの人のことが愛おしくて夜も眠れない、であるとか。 この文章は珍しくネガティブから生成しているわけではありません。 スターバックスの新作を啜りながら

    • ある日の夢

      ぽつり、と。 僕は貫禄のある工場(こうば)にいました。あまり、工場(こうじょう)らしくない、鉄骨造で赤錆の多い、工場。 彼は長い足で工場内を進んでいきました。長い赤髪を揺らし、ブーツの硬い音をコンクリートに響かせて。 僕は彼をひたすらに追いかけていて、どんどんと先に行く彼を目で追って、階段を登り、いつからか高いところにいました。一体どこなのか、形容しがたいのですが、高いところにあるのに廊下のような雰囲気を感じました。閉鎖されているような、しかし広さを感じるような。 彼の左

      • 小説家になれない話

        ぽつり、と呟くように書き始めます。 初めまして。久瀬 睡と言います。 小学生の時に初めて詩を書いて、十年以上が経っています。その時は毎日何冊も本を読んでいました。漫画、小説、新書、なんでも読んでいました。 でも今の自分は毎日何もせずに、本も読まずぐうたらな生活をしています。 今この瞬間もインターネットで動画を見ながらこれを書いています。小学生の頃は、特に何も疑わず小説家を目指していました。でもきっと、小説家になるには小説を読んでいなさすぎたし書いてもいなかったと思います。

        • #2

          母親に、約20年間騙されていた話。 母親のことを、それなりに尊敬していました。 旧帝大卒で、アパレルの店長経験がある。視覚障害などもあり、色々苦労したものの頑張った人。僕には無理なことをやっていて、すごいな、と思っていました。 薄々感じてはいましたが、そんなすごい人間が、中卒の父と結婚するわけないですよね。 少し前に、母が倒れたんですね。僕の家にはほぼ身内がいなくて、唯一身内と言える叔母に連絡を入れました。一応母親の妹だし、色々助けてもらいたかったので。 話は変わりますが

        ネガティブから生成される文章しか書けない話

          #1

          初めまして。 久瀬と云います。 自己紹介をします。 そこそこに嫌な家庭に産み落ちた、御歳二十歳の学生です。以前は別名義で少しだけ、ここの媒体で日記を書いていました。 出身は中部地方のそこそこ大きな街で生まれ育ちました。 頭も良くなく、普通よりかなり下の頭で、かなり下に見られる高校を出て、そこそこ知られていない大学に通っています。 文系で、趣味はベースやギターをそこそこに弾くことです。まぁ、全体的に中途半端な人間というわけです。 数年前まではセクシャルマイノリティを名乗って