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二十四節気とゆたかな暮らし#02

皆さんは、日々の暮らしの中で四季の移ろいや、日本の豊かな文化に触れる瞬間はありますか?実は、少し意識を向けるだけで、私たちの日常はより豊かに彩られるんですよ。
例えば、二十四節気という暦を知ると、季節の変化をより繊細に感じ取れるようになり、その季節に合わせた行事や習慣を取り入れることで、心にゆとりが生まれ、生活にも潤いがでてきます。
日本文化の素晴らしさを多くの方と共有したいという思いから、「二十四節気とゆたかな暮らし」でご紹介した内容の一部を、ここでお伝えしていきたいと思います。豊かな日本文化の旅に、皆さんもぜひご一緒しませんか?


今月のこよみ

立秋 8月7日(水)

「まだまだ暑い盛りなのにもう秋?」と思われる方も多いでしょう。立秋は二十四節気の一つで、暦の上では秋の始まりを告げる日ですが、実際にはまだまだ夏真っ盛り。

でも、よく観察すると、少しずつ秋の気配が感じられるんです。朝晩に吹く風がほんの少し涼しくなったり、夕暮れ時が少し早くなったり...そんな小さな変化に気づくのも楽しいものです。

この時期、夏の花々が最後の輝きを見せる一方で、彼岸花やコスモスなどの秋の花が咲き始めます。食べ物では、梨や葡萄が旬を迎え、夏の暑さを忘れさせてくれる爽やかな味わいを楽しめます。

小暑の時に紹介した暑中見舞いも、立秋を過ぎると残暑見舞いに変わります。まだまだ暑い日が続きますが、季節の変わり目のご挨拶として、大切な人に残暑見舞いを送ってみるのはいかがでしょうか?

夏の暑さはまだまだ続きますが、少しずつ秋の訪れを感じながら、季節の移ろいを楽しんでみてください。

処暑 8月22日(木)

処暑は「暑さが止む」という意味がありますが、日中はまだまだ暑いですよね。でも、夜になるとコオロギや鈴虫の鳴き声が聞こえたり、朝晩に涼しい風を感じたりと、確実に秋の気配が近づいてきます。

この時期、空を見上げると「秋の空」の美しさに気づくかもしれません。夏の濃い青から、少し淡く澄んだ青へと変化していく空の色は、秋の到来を静かに告げています。

食べ物では、さんまや松茸が旬を迎え始め、食卓に秋の味覚が並ぶようになります。また、「十五夜」や「十三夜」といった月見の行事も近づいてきます。

まだ暑さは続きますが、少しずつ秋の気配を探してみるのも楽しいものです。夕方の散歩で虫の音に耳を傾けたり、朝の風を肌で感じたり...そんな小さな秋探しを日々の生活に取り入れてみませんか?

季節の変わり目は体調を崩しやすい時期でもあります。暑さ対策をしながら、ゆっくりと秋の訪れを迎える準備をしていきましょう。

今月の行事

お盆 ~先祖を敬い、家族の絆を深める日本の伝統行事~

皆さんは、お盆をいつ頃お迎えしていますか?実は、お盆の時期は地域によって異なるんです。

関西では8月13日から15日がお盆。一方、関東では7月13日から15日とされることが多いんですよ。でも最近は、お盆休みに合わせて8月13日から15日に行う家庭も増えてきました。面白いのは、新暦でお盆を迎える地域もあれば、旧暦(今年なら9月)でお迎えする地域もあること。日本の文化の多様性を感じますね。

来るときは馬で素早く、帰る時は牛でゆっくりと。

お盆には、先祖の霊をお迎えする「迎え火」と、お送りする「送り火」を焚く習慣があります。そして、このとき登場するのが「精霊馬」。ご先祖様の乗り物として、キュウリやナスで作られるんです。

キュウリで作る馬は「精霊馬(しょうりょうま)」。足が多いので、ご先祖様をすばやくお迎えできるんだとか。一方、ナスで作る牛は「精霊牛(しょうりょううし)」。ゆっくり歩くので、ご先祖様がこの世に長く滞在できるそうです。

地域によっては、キュウリやナスの代わりにゴボウを使ったり、オクラで馬を、ピーマンで牛を作ったりするところも。材料は違えど、先祖を敬う気持ちは同じですね。

お盆は、先祖を敬うだけでなく、家族の絆を深める大切な機会。久しぶりに実家に帰省したり、お墓参りをしたり、家族で食事を楽しんだり。現代の忙しい生活の中で、ちょっと立ち止まって家族や先祖に思いを馳せる、そんな大切な時間なのかもしれません。

今年のお盆は、精霊馬を作ってみたり、地域の風習を調べてみたり、日本の文化を楽しみながら過ごしてみてはいかがでしょうか?

旬のもの

夏の王様、スイカ!お盆の定番果物

暑さが続くこの季節、冷たくてみずみずしいスイカが恋しくなりますね。私にとってスイカは、お盆休みの風物詩。毎年、お盆休みに入ると1玉買うのが恒例行事なんです。

大きな玉を買って、家族や友人と分け合って食べるのも楽しいですし、一人暮らしの方なら小玉スイカを選んでみるのもいいでしょう。切り分ける瞬間のわくわく感、真っ赤な果肉の美しさ、そして口に入れた時の幸せな気分...まさに夏の味覚の王様ですね。

クレオパトラも愛したと言われるスイカ

でも、スイカは美味しいだけじゃないんです。実は、体にもいいことがたくさん!

まず、水分補給に最適。スイカの果肉の90%以上は水分で、暑い夏の水分補給にぴったり。さらに、利尿作用があるので、むくみ解消にも効果的です。

また、赤い果肉に含まれるリコピンは強い抗酸化作用があり、紫外線から肌を守ってくれます。ビタミンCも豊富で、夏バテ予防にも一役買ってくれるんですよ。

カロリーも低めなので、ダイエット中の方にもおすすめ。ただし、食べ過ぎには注意が必要です。適量を楽しむのがコツですね。

おわりに

今月は、立秋と処暑という二十四節気の話題を中心に、日本の夏から秋への移り変わりをお届けしました。「まだまだ暑いのにもう秋?」とピンとこない感じがする方も多いのではないでしょうか。確かに、残暑はまだまだ厳しいですもんね。

お盆の習慣や地域による違い、そして精霊馬のお話は、すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひ周りの方々にも伝えてみてください。こうして日本の素敵な風習を繋いでいけたらいいなと思っています。

季節の移ろいとともに、私たちの暮らしも少しずつ変化していきます。来月は、さらに深まる秋の気配とともに、秋の味覚や行事、そして二十四節気の豊かな表現など、楽しい話題をお届けします。

どうぞ来月もお楽しみに。皆様にとって、実りある秋の始まりとなりますように。

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