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精油ものがたり~バジル~

蝉の鳴き声が聞こえ始めました。
いよいよ本格的に夏がスタートします。
(とはいっても、すでに相当暑い日本列島ではありますが…)
夏のハーブの代表格はバジルですね。
私はバジルの香りが好きで毎年育てています。

バジルはハーブでの活用が多いのですが、ちゃんと精油も存在します。
バジルの種類は大変多く、世界中には50~60種あるとされ、古くから薬草として使われてきた歴史があります。バジルという名の由来は、ギリシャ語の「王の」というバシリコスからきているというのが定説ではありますが、学名のOcimumは匂うという意味も持ち、バジルの強い香気を意味するともいわれています。

精油に使われている種類はスイートバジル(学名Ocimum basilicum)が主ですが、スイートバジルもいくつかの種類に分かれており、同じ学名を持ついくつかの種類から抽出されます。
市場に多く出回っている精油は、リナロールの含有率が50%以上のものと、メチルチャビコールが85%以上のものが殆どです。
そのためバジルの精油はバジルリナロールとも呼ばれています。

バジルの香りは、心を刺激して活力を与える効果が期待できます。
ストレスや神経疲労の軽減・不安や自信喪失を鎮めるなど、窮屈になってしまった心を解放させるのに役立つます。
また神経に作用させますので、片頭痛や痛みの緩和にも役立ちます。
片頭痛持ちの方はペパーミント、ラベンダーに加え、バジルもブレンドして使用すると良いでしょう。

バジルの和名は「目帚(めぼうき)」といいます。
バジルの種子を目に入れると、涙で種子の周りにゼリー状の膜ができます。
これが目の中のごみ等を取ってくれるというのが由来だそうです。
種子を実際に目の中に入れるのは勇気がいりますので、中々検証できずにいますが……。
私は個人的見解として、目帚という和名は物理的な意味合いに加えて、スピリチュアルな意味をも含んでいるのではないかと思っています。
曇った視点をクリアにし、ものごとの本質を見極める力を取り戻す手助けをしてくれるのではないかと思うのです。

数多くあるバジルの中でも特にスピリチュアルな傾向が強いのは、ホーリーバジル(学名Ocimum tenuiflorum)です。
インドではトゥルシー(Tulasi)と呼ばれ、数千年前から「不老不死の薬」として使われている薬草で、ラクシュミー(吉祥天)という神様の化身として聖なるバジルとして扱われています。

魔よけの薬草としても重宝されているホーリーバジルに含まれる成分の中で、特に注目されるのはアダプトゲンです。
アダプトゲンは免疫機能を促進し、身体にかかるストレスを自ら対処できるようにする働きをしてくれます。
肉体だけでなく精神的な面でもストレス(邪気)除去を促してくれると言われています。
トラウマ、情緒不安定、肉体的・精神的疲労など、あらゆる側面からのストレスへの抵抗力を高めてくれ、邪気の浄化にも役立つとされています。

ホーリーバジルの和名は「神目帚(カミメボウキ)」といいます。
神がついてしまうなんて…すごいですね。

ついつい近視眼的にものごとを見てしまって、溢れる情報の波にのみ込まれそうになりがちな現代ですが、曇ったモノの見方を解消し、クリアな目で全体像を見るために、バジルの香りを活用してみてはいかがでしょうか。

最後になりましたが、大雨被害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。

バジル
学名:Ocimum basilicum
科目:シソ科
抽出部位:全草(葉、花、茎)[水蒸気蒸留法]
ノート:トップノート
効能: 自律神経調整作用、鎮痛作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、消化不良、乗り物酔い、胃炎、不安症など
使用注意事項:妊娠中、幼児への使用は避ける、敏感肌の人は刺激をうけるので高濃度での使用は避ける


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