15分でできる「A4勉強会」~トヨタ自動車のA3会議をまねて~

看護の世界は常に学習し続けることが求められる。
実際に、新しい機器や新しい処置、異動すれば新たな疾患の知識やそれに伴う処置を覚える必要があり生涯学習が必要だ。
成人学習は、モチベーションが必要だと聞いたことがあるが目の前の患者さんに必要なことだから、前向きに勉強する人が多いと思う。
 
おそらくどの病院でも、教育委員が中心となるいわゆるラダー研修以外にも、部署ごとに“勉強会”が、少なくとも年数回くらい開かれているだろう。
大学病院では毎月、いやそれ以上に開催されているのだろうか。
 
私が看護師になった当時と比較すると、時間外の勉強会開催することは“超過勤務に相当するか否か”ということもあり、管理側から提案しづらく、明らかに回数は減っている。
また、1年目のスタッフに学習することを強要してはいけないという不文律もあり、そういった意味でも先輩主催の勉強会も明らかに減っていると思う。
 
一方で、学習する必要性は依然として存在している。
また、申し送りも廃止になっており「人に伝える力」をどう育てるかが課題だと感じていた。
インターネットからの情報やYou Tubeで得られる情報もあるためそれを活用してほしいと思うが、やはり自分で調べてまとめて伝えるのは学びが深まる。
そのため、今年度の学習会はトヨタのA3用紙1枚を活用した会議を真似して「A4勉強会」とした。
 
テーマは、新しく導入された薬や、新しい機械、インシデントから学んだことなどなんでもOK。
A41枚程度ならばまとめるのもそこまで負担がかからないし、発表も含めて15分程度の学習会を勤務時間内に開催する。
30分程度の勉強会を開催する場合、資料を作成するのも一苦労であるからA4 1枚としてみた。
 
一つ一つは小さなテーマでも、積み重ねればそれなりに力になるというのが私の考え方だ。
例えば
テーマ (例)なぜ術前にソルアセトFなどの硫酸リンゲル液を
                         投与するのか?
    (例)敗血症の新しい指標 SOFAスコアとはなにか?
    (例)呼吸回数を測定する意義とは? などです。
テーマがあって「答え それは○○です」と10行程でまとめて,
追加で資料を添付する程度だが、ファイルを見返すとたった半年たらずでも意外と件数はたまっていた。
まさに「塵も積もれば山となる」であり、結果として何時間か学習会を開催したくらいになっている。

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