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魂が見えるか【雑文】

 本業とプライベートで忙しなくしており、久々の投稿になってしまった。
 夏は大阪の実家に帰省をし、家族とゆっくりとした時間を過ごした。その間、小説を8冊ほど読んだ。仕事も家事もせずに、物語を脳内で反芻する日々。まさに至福のひととき。日々時間に追われることとは真反対で自分自身が物語をひたすらに追いかけることは、まるで学生時代を思い出すようであった。
 翌日久しぶりに大学時代を過ごしたキャンパスがある京都駅近くを散策することに。文芸部の合宿の帰りに好きだった女性部員から「ジウちゃん、少し遊んで行かない?」と声を掛けて貰ったバスターミナルの風景をまじまじと見た。エモさしかなかった。自分の蒼い魂はまだこの近くで息をしていたのかもしれないなどと思い耽り、帰りの道すがら電車内でただ茫然と過ごした。
 自分は昔から不思議な子どもだったらしい。大祖母が亡くなった日に、田舎の家から突然飛び出して周りを困らせた。地元の警察も出動するほどの大騒動だった。結果的に見つけて貰えたから今こうやって生き永られている。数時間後に見つかった時、海岸から青々とした海を眺めていたらしい。失踪したのは3歳の時だったが、本人は全く記憶がない。もしかして、大祖母っ子だったから彼女が手を引いて連れて行こうとしたのかもしれないと後に母から言われた。確かにそうだったのかもしれない。人の運命なんか明日どうなるか分からない。誰かに引かれる人生でも、自発的に動いていくにも何か意味があると思う。
 月は変わったけど、世の中は相変わらず厳しい。物やサービスの値上げが止まる気配がない。こんなに値上げするほど厳しいのであれば、誰もが購買欲は失くすし益々世知辛い世の中に成り果てる。かと言って給与が上がり、社会保険料や税金が下がることはまず無い。世の中の大半は厳しい生活を強いられる。今は我慢して踏ん張るしかないのだろう。
 何が言いたいのか分からなくなってきたが、こんな時は生かされていることに御礼を言うべきなのだろう。たまには自らの歩んできた道を振り返って、自分を見つめ直すことも悪くはないと思った。しかし、今年の夏は暑かった。
 また明日から頑張ろう。

【了】

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