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宇宙ビジネスの概観

この頃Deeptech領域に興味が出てきました。
そのため、定期的に勉強した内容をアウトプットしていこうと思います。


気ままに書きますのでお許しを。




宇宙ビジネスの種類

ロケット打ち上げ

地上から宇宙へ、人や人工衛星を送る際の手段となるロケットを販売、打ち上げを請け負うビジネスが行われています。民間主導になってから打ち上げられるロケットが小型化、1台あたりにたくさんの小型衛星が積載できるようになり、宇宙輸送の低コスト化が進んでいます
また、スペースX社は、2017年にロケット第1段の再利用に成功し、通常の打ち上げ費用を従来の半額近くまで下げることに成功しました。
また、人工衛星を打ち上げるにあたっても、別の目的のもとで打ち上げられるロケットに人工衛星を便乗させてもらう「ピギーバッグ」や、複数社で同一のロケットに衛星を乗せて打ち上げる「ライドシェア」など、コストを抑えた打ち上げの選択肢も増えています。

通信

中・低軌道に打ち上げた多数の小型衛星による「衛星コンステレーション」を活用することで、世界全域に高速大容量の通信の提供が可能となります。代表例はスターリンクです。ウクライナ紛争における無償提供でも話題となりました。その後、ワンウェブ社、アマゾン社などもあとに続く形で、それぞれ数千、数万機といった大規模な通信コンステレーションの構築計画を進めており、覇権争いが繰り広げられています。

リモートセンシング(地球観測)

リモートセンシングとは、人工衛星に専用の測定器を搭載し、地球を観測する技術のことを言います。
近年では、マイクロ波を地球に照射し、反射波を受信する「SAR(合成開口レーダー)センサー」によって取得した衛星データの活用の幅が広がっています。天候や地形にかかわらず地上を撮影できる、対象物の材質や変化を細かく観測できるのが強みで、解析技術の進歩によって観測データから様々な情報を読み取れるようになりました。
例えば、農作物の生育状況といった農地の管理、漁業のための魚群の来遊予測、火山観測や土砂崩れの予防など防災の分野などで観測データが活躍しています。

測位

スマホの地図アプリ等で利用できる位置情報システムは、軌道上の測位衛星によって提供されているものです。アメリカによる「GPS(Global Positioning System)」もそのひとつで、こういった衛星測位システムを総称して「GNSS(Global Navigation Satellite System、全地球航法衛星システム)」と呼びます。
政府によって運用されている測位衛星システムは、EUによる「Gallileo(ガリレオ)」やロシアによる「GLONASS(グロナス)」など。日本では、アジア・オセアニア地域でより安定した位置情報を取得できる「準天頂衛星システム(通称、みちびき)」が運用されています。

一般的に、最もメジャーなサービス名から「GPS」と呼ばれることが多い測位衛星システムですが、現在は同サービスだけでなくGallileoやGLONASSほか、様々な信号を同時に利用する「マルチGNSS」の導入が進んでいます。異なる衛星測位システムを利用することで、より高精度に位置情報を計測できるようになるのが、マルチGNSSの強みです。

民間宇宙旅行

現在、宇宙旅行の種類は「サブオービタル旅行」「オービタル旅行」の2つに大別されます。サブオービタル旅行とは、高度100kmに数分間滞在し、無重力体験をしたのち地球へ帰還する10分から数時間程度の宇宙旅行を指します。オービタル旅行は、地球を周回する軌道に入る旅行をいいます。
例えば、後述するブルーオリジン社やヴァージン・ギャラクティック社による商用宇宙旅行は前者、ZOZO創業者の前澤友作氏による12日間のISS滞在は後者に該当します。

製造・開発

製造の対象となるものは、大きくロケット、地上局、人工衛星の3つが挙げられます。
さらに細かいところでいくと、宇宙用のネジやケーブルをはじめとした各機器の関連製品、宇宙機の管理・運用を行うためのITシステム開発[3] も行われています。

宇宙資源開発

月や小惑星での非生物資源の探査・採掘を目的とする事業を指します。人の宇宙における活動範囲をより拡大していくため、地球から物資を輸送するのではなく「宇宙での資源調達」を目的とするもので、現在は燃料としての活用も可能な「水」に注目が集まっています。
2025年以降に月面に人類を送り、月周回有人拠点「ゲートウェイ」の建設などを通じて、月への物資運搬、月や火星の探査などの活動を含む一大プロジェクト「アルテミス計画」がその代表例です。

スペースデブリ回収

スペースデブリとは通称「宇宙ゴミ」、軌道上にある不要な人工物体のこと。例えば、使用済みあるいは故障した人工衛星、打ち上げに使われた上段ロケット、爆発・衝突して発生した破片などが該当し、これを専用の宇宙機によって回収する事業が構想されています。

衛星延命サービス

また人工衛星の軌道修正や燃料補給など、人工衛星を長期的に運用するためのサポートを提供するサービスもあり、衛星ビジネス事業者をターゲットとしたビジネスも広がっています。

宇宙保険サービス

搭乗客の死亡事故、ロケット打ち上げの延期、輸送貨物の破損といったリスクを低減する保険を提供する会社も存在します。例えば、日本では三井住友海上火災保険がispaceと共同で世界初となる「月保険」を開発しました。具体的な内容としては、ロケットの打ち上げから月面着陸までに発生する損害を切れ目なく補償するというものになります。


今日はここまで!ありがとうございました。

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