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忠臣蔵夫婦喧嘩考 前編

忠臣蔵夫婦喧嘩考

三下り半❗️
江戸時代の離婚は紙に「そなたと離婚する」と3行半理由を書けば、離婚できたみたいです❗️
ずいぶんと馬鹿にした話ですが、江戸時代の常識です。

男はまだ地位が高く、飲む、打つ、買うでいちゃもんをつけられてたら、「出て行け❗️」と言って離婚できたとのことです❗️

今なら夫が酒を飲む、博打をする、浮気をして夫が「うるせぇ!出て行け!!」言われようなら、「よくも言ったわね❗️よーくわかったわ‼️」といって慰謝料などの返り討ちを打つだろう。


江戸時代にこの不思議な離婚話がある。
赤穂藩家老の大石内蔵助良雄である。
忠臣蔵の主人公です!

大石内蔵助の主君、浅野内匠頭が江戸城で吉良上野介を切り付ける刃傷事件を起こし、浅野内匠頭は責任を取らせれて切腹し、浅野家は断絶し、大石内蔵助以下四十七士が主君の仇を討つ有名なお話です。

この時、大石内蔵助は仇討ちを悟られないように山科で閑居し、祇園で遊び呆けていたとのことです。

大石内蔵助の妻の名はおりくと言います。
おりくはどんちゃん騒ぎで飲みまくり、女と遊び暮らす夫にほとほと愛想をつかしました。

すると、夫の方も
「ほとほとお前の顔は見飽きた!出ていってくれ❗️」と簡単に離縁状を書いて、実家に帰らせてしまう。

実はこれは吉良邸討ち入りの時に家族に罪が及ばないように迷惑をかけない為の大石内蔵助の芝居で、内心、妻や子の別れに涙していたというのが、おおかた『忠臣蔵』の筋書き、美談である。

この話の信憑性はともかく、語り継がれているところは、討ち入りの秘密を守るために、本心を隠して妻や子と別れるあたりは、まさに
「顔で笑って、心で泣く」と言った日本人にぴったりなお話しとしてもてはやされる。

だが、これは現代では通用しない。
旦那様が飲みまくり、女と朝まで泊まっていて、一方的に離婚してくれと言われたら、奥様側は反撃に出て、裁判や慰謝料など、泥沼化が必至であると思います。

だが、この時代の女性は本当に黙っておしとやかに引き下がったのだろうか?神代から夫婦喧嘩の話がある日本ではちょっと信用出来ない。

大石内蔵助は赤穂五万三千石の浅野家の城代家老でありました。
妻のおりくさんは、但馬豊岡一万五千石の京極家の城代家老の石束毎公(いしづかつねとも)の娘である。「陸」とか「理玖」とも言われますが、ここでは「おりく」にします。

他藩通しの縁談は特に珍しいことはなく、城代家老通しの組み合わせなので、釣り合いのとれた縁談でないかと思ってます。

二人の間には数人の男女の子供が生まれている。
長男の大石主税は討ち入りに参加している。

浅野内匠頭が江戸城で刃傷事件を起こし、浅野家は取り潰された後、おりくは実家の但馬石束家に主税以外の子供たちと戻っていた。形の上では、離婚したことになっていました。

しかし、よくよく調べてみると喧嘩して離婚したわけではないことが、手紙でわかります。内蔵助からおりくさんへとても優しい手紙を送っているのです。

ちょうど二人が離婚した時、おりくさんは身籠っていて、数ヶ月後には男の子が生まれます。

「ややもそもじとの名をつけ申し、大三郎と申し候よし」
「かわゆらしき子にて候よし、くれぐれも見申したき事と」
(赤ちゃんは大三郎と名付けられたそうで、可愛らしい子のようなので、一度見てみたいものです。)

これが夫婦喧嘩をし、離婚した夫婦の手紙とは思えない。しかも、おりくさんは内蔵助に赤ちゃんの大三郎の名前をつけたことを知らせているのである。二人は時々手紙のやり取りをしていて、お互いの消息を連絡しているのである。

これが女に放蕩に明け暮れた内蔵助がおりくさんに出て行けといった話は信用できなくなる。

考えてもみたら、お家取り潰し、今の時代では会社が社長が不手際を起こし、解散させられた感じであります。倒産ではないので、多少の蓄えはあるにせよ、200名以上の藩士がいるので、分け与えないといけないので、たとえ家老であっても、多くはないと思います。

更に祇園でどんちゃん騒ぎをする、潰れた会社の無職の重役さんが銀座の高級クラブでお金も無いのにどんちゃん騒ぎをするでしょうか?

おそらく真面目な大石内蔵助の討ち入り話しには全く色気がないので、祇園での放蕩ぶりは創作されたのでは無いかと思います。
一番は後の創作である『仮名手本忠臣蔵』の大星由良之助とおかるとの身請け話から勝手に膨らんで行ったと考えてます。

この離婚にはもう一つ真相があるみたいです。
それは後編で😊 

(登場人物)江戸城刃傷事件時

・大石内蔵助良雄(おおいしくらのすけよしお)
 43歳 赤穂藩 浅野家城代家老

・大石りく(おおいしりく)
 33歳 大石内蔵助の妻

・浅野内匠頭長矩
(あさのたくみのかみながのり)
 35歳 播磨赤穂藩 第3代藩主

・大石主税良金(おおいしちからよしかね)
 14歳 内蔵助、りくの子。元服前。

(つづく)



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