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助け合いの日本の歴史 3

『古事記』は、奈良時代初期の712年に編纂された日本最古の歴史書であり、神話や伝説、歴史的な出来事が記されています。
この書物には、神々や人間の間での助け合いや協力を描いたエピソードが数多く登場します。

主な助け合いや協力のエピソードです。

1. イザナギとイザナミの国生み

『古事記』の冒頭に登場するイザナギとイザナミの神話は、天地創造と国生みの物語です。この二柱の神は協力して、日本列島や多くの神々を生み出しました。

・エピソードの概要:
天の神々から命じられたイザナギとイザナミは、天浮橋から天沼矛を使って海をかき混ぜ、日本列島を形成しました。これを「国生み」と呼びます。
その後、二神は協力して、淡路島、四国、九州、本州などの島々を次々と生み出しました。
さらに、山や川、草木、神々を生み出す「神生み」も行いました。

この物語は、イザナギとイザナミが力を合わせて世界を創造したことを象徴しており、協力の精神が描かれています。

2. アマテラスとスサノオの誓約

天照大神(アマテラス)と須佐之男命(スサノオ)の誓約(うけい)のエピソードも有名です。このエピソードでは、姉弟の間の誓いによって新たな神々が誕生します。

・エピソードの概要:
スサノオは高天原に登り、姉のアマテラスに会いに行きます。彼は、悪意がないことを証明するため、誓約を提案します。
二柱の神はそれぞれの持ち物を交換して噛み砕き、新たな神々を生み出すという儀式を行いました。この誓約の結果、五柱の男神と三柱の女神が誕生しました。
この誓約を通じて、スサノオが悪意を持っていないことが証明され、姉弟の間に一時的な平和がもたらされます。

このエピソードは、神々の間での協力と誓約によって新しい生命が生まれる様子を描いており、信頼と協力の重要性を示しています。

3. オオクニヌシと少彦名命の国造り

大国主命(オオクニヌシ)と少彦名命(スクナヒコナ)は、協力して国造りを行いました。これは、国土の開発や人々の生活を豊かにするための協力を象徴しています。

・エピソードの概要:
オオクニヌシは、地上の国(葦原中国)を治めるために、スクナヒコナと協力して国造りを進めました。
スクナヒコナは、非常に小さな神でありながら、医薬や農業、文化の発展に大きな貢献をしました。
彼らは力を合わせて、農業の方法や医療、祭祀などを人々に伝え、国を豊かにしました。

この物語は、異なる性質を持つ者同士が協力することで、大きな成果を生み出すことができるという教訓を伝えています。

4. ヤマトタケルの冒険と仲間たちの助け

ヤマトタケルは、数々の冒険を通じて敵を討ち倒し、国を平定した英雄ですが、彼の成功には多くの人々の助けがありました。

・エピソードの概要:
ヤマトタケルは、東国征伐や熊襲征伐の際、多くの危険な状況に直面しましたが、彼を助けたのはさまざまな仲間たちでした。
例えば、東国征伐の際に、火攻めを受けたヤマトタケルを助けたのは、彼の妻である弟橘媛(オトタチバナヒメ)でした。彼女は海の神を鎮めるため、自らを犠牲にして海に飛び込んだとされています。
また、道中で出会った人々や神々がヤマトタケルに助けを差し伸べ、彼の使命を果たすのを支援しました。

この物語は、英雄的な行動が個人の力だけではなく、周囲の助けや協力によって成り立っていることを示しています。

『古事記』には、神々や人々が協力し合いながら困難を乗り越え、国や社会を築き上げるエピソードが多く含まれています。これらの物語は、日本の文化や価値観の根底にある助け合いや協力の精神を伝えており、現代においてもその教訓は重要です。

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