投資家の代表的な心理バイアスについて
2024年も明け、新NISAも始まり1ヶ月以上経過しました。現在、新NISAの影響か、日経平均株価も上がり、購入した銘柄もプラスで推移している人も多いと思います。
しかし、バブルの頃のように景気がいいということを実感できている人はどのくらいいるのでしょうか(若い人はそもそもわからないかも)?
実際には、新聞の記事などにあるように物価上昇率に比べ給料が上がっておらず、実質的にマイナスになっているという現状があります。
その様な現状の中で、購入した新NISA銘柄が,今後マイナスで推移し始めた時に、皆さんメンタル維持できる自信がありますか?
久しぶりの投稿で,前置きが長くなりましたが、今回は投資家が陥りがちな代表的な心理バイアスについて紹介したいと思います。
1 「投資家の群衆行動」と「自信過剰」
「投資家の群衆行動」とは,
他人と同じ行動をとりたくなる
という心理バイアスのことを言います。
例として、バブル末期に投資未経験者までも
が株を買い始めた現象を言います。
「自信過剰」とは、
自分の知識や能力を過大評価する一方、
リスクを過小評価する
という心理バイアスを言います。
どういうことかと言いますと、
投資家が過剰な自信を持った結果,売
買回転数が上昇することで最終的な利益
が減少すること
や、
投資の結果,損失となった場合に「営業
担当者に騙された」,「運が悪かった」
と思う反面、
利益が出た場合には「自分の実力だ」
と思うことが当てはまります。
2 後悔の回避
「後悔の回避」とは、「後悔したくない」と
いう気持ちが投資家の意思決定に影響を及ぼし
てしまうという心理バイアスのことを言いま
す。
投資家が,利食いよりも損切りを嫌う傾向の
ことを言います。
どういうことかと言いますと、
利益が出ている株式と損失が出ている株
式があった場合、多くの人が損失が出て
いる方ではなく利益が出ている株式を売
却することを選択する傾向が強い
と言うことです。
3 心の会計
「心の会計」とは、人が心の中の勘定科目ご
とに損益を考えて、全体の損得勘定をしないで
行動する傾向を言います。
例えば、
投資家が,株式の売却益と配当を別々に
考えること
や
投資家が分散投資した資産について
個々の損益で投資決断を下すこと
が挙げられます。
4 「近視眼的行動」と「時間非整合割引率」
例えの方が分かりやすいと思いますので、い
きなり例え話で話をしますと、
今お腹が空いている時、
今日,りんごを1個もらう
と
明日,りんごを2個もらう
では、おそらく多くの人が今日もらうを選択
すると思います。
しかし、
1年後の今日,りんごを1個もらう
と
1年後の明日、りんごを2個もらう
では、
1年後お腹が空いているかどうかわか
らないため2個もらう方が価値がある
と考える人が多いのではないでしょうか。
これを考えると、年に1回分配金を受け取る
投資信託の方が一般的に複利効果を期待できる
のに、毎月分配型の投資信託を好むなど,投資
家の近視眼的行動が説明できると思います。
5 まとめ
以上の心理バイアスを頭に入れて、実際にマ
イナスで推移した場合、冷静になって全体の投
資の状況をよくみて判断することが大切です。
また、「投資」と「投機」の違いを明確に理
解してください。新NISAのような投資信託な
どは、「投資」で長期スパンを考えて運用して
いくものだと言うことを忘れないでください。
「投機」では,デイトレーダーのようなプロ
相手やAIの売買スピードに,素人がテクニカル
で勝負しても勝ち目はありません。
地道にコツコツ,自分のできる範囲で無理を
せず運用していくことが大切です。
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