本好きの血が騒ぐ 暑い日の美術館で小説と芸術
暑い日が続きますね。
夏の暑い日に美術館に行くのが好きです。
近くにある美術館で開催されている展覧会へ行ってきました。
大好きな本と美術作品が、つながり、ニヤニヤが止まらなくなりました。
『日本の洋画百五十年の輝き 高橋由一、岸田劉生、鴨居玲…』
鴨居玲
一年前に読んだ、植松三十里『羊子と玲』
日本の女性下着に大きな貢献をした下着デザイナーの鴨居羊子と鬼才の画家鴨居玲、姉弟の物語。
挫折や生きにくさを感じる画家、玲の才能を眠らせないと、姉の羊子は仕事に励み、下着デザイナーとして確立していく。
しかし、苦悩に満ちた玲は自ら死を選ぶ。
この物語を読んで、ぜひ鴨居玲の作品を自分の目で確かめたくなりました。
私は特に絵画などに詳しいわけではないのですが、100年、200年前の作品が、今もたくさんの人を魅了するのは、どういうものか、作家の背景には何があったか、この時代に海外で絵を学ぶってどれだけの苦労があったかなどなど思いを巡らせる時間が好きです。
鴨居玲の作品に行き着くまでの間に、本好きの血が騒ぐ作品に出会ってしまいました。
武者小路実篤の『友情』の木版の特装本表紙である。
1920年に岸田劉生作
15年以上前に読んで、手放せない本として残してある1冊です。
好きな本の100年以上前に出版された当時の表紙が目の前にある。
いきなり、テンションがあがり、作品の前でニヤニヤがとまらない。
私の持っている本は、1992年に集英社文庫から出版されたもので、現代版として新たに出版されたもの。
解説のあとに、武者小路実篤の年譜がついている。
第一次世界大戦がはじまり、貧困の生活のなかで、結婚し、農園をつくり、貧困を支えるために小説を作り糧にしていた時代のようだ。
そんな、思ってもいなかった作品と出会いながら、お目当ての鴨井玲の作品を目指します。
最後の展示品が、『鴨居玲の勲章』
暗い色使い、うつろにも、悲しげにも、あきらめにも、全てを悟っているようにも見える。
上着の胸につけたビール瓶の王冠。
勲章が欲しくて子供の様に王冠をつけたのか、それとも勲章なんてビールの蓋と何らかわりないという皮肉を込めたものなのか。
特に芸術や美術品に造詣が深いわけではありません。
フィクションであったとしても、著者がたくさんの取材や資料をもとに書かれているので、作品や画家の生涯など、背景を知ることができます。
小説の魅力のひとつです。
展示品の管理のために、空調がしっかりとされ、
室内が程よい気温と湿度に管理されている。
ほんのりと薄暗い照明。
夏だ、祭りだというギラギラ・ワイワイももちろん楽しいが、
暑い日に少し落ち着いて過ごしたい。
涼むにも美術館はおすすめです。
「あなたっぽい漢字一文字」
最近、noteで見かける診断をしてみました。
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