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東京芸大出身 ブルーピリオドを観る③

僕、東京芸大出身です。
何やら、母校が舞台になった映画があるということで観てきたらめっちゃ良くて、あれから20年経った今だから思うこととか書いていきます!

映画の主人公たちと同じ高3の時に僕が描いた絵も出てきたんでついでにアップします。芸大受験生の絵ってこんな感じです。

前回のまで記事はこちら。

僕が受験したのは20世紀が終わろうとしている頃で、今は21世紀も1/4が過ぎようとしている頃。
映画の設定がすごくリアルだったから、逆に驚いたのは、僕の頃と全然変わってないことがたくさんあるってこと。

いろいろあるけど、やっぱり気になったのは・・・
『芸大行っても食えないんでしょ』『芸大行っても将来性ないでしょ』『芸大行ったって、成功するのは一握りの人間だけでしょ』『芸大行っても・・・』
っていうセリフ。

僕も散々言われたけど、あれから20年経った令和の時代でもまだそうなんだね。
僕らの頃と違って、今はYouTubeで稼ぐのも珍しいことじゃなくなったし、noteで稼ぐ人もいるし、誰でもその気になれば自由に表現して自由にお金を稼ぐことができる時代なのに・・・。

じゃあ、実際はどうなのかってことなんだけど、、、

僕が高校3年の頃、受験対策で描いた新聞紙。中日新聞っていうのが地元感ある。

僕は、芸大卒業後、就職しなかったけど仕事はたくさんあって、食っていけてるし、同級生たちも、絵を描いてる人もいれば描いてない人もいるけど、やっぱり、みんなちゃんと生活してる。

芸大で身につけたスキルって、実は社会の役に立つことが多いと思う。

例えば、美術をやってると、時代の空気を吸って自分なりの何かをアウトプットする力が身に付く。
『現代美術』っていうのはつまりそういうことだと思うんだよね。

今、日本にはいろんな分野で課題がたくさんあるし、先が見通せないようなことも多い。一筋縄で行かないような問題にぶつかった時に、時代の空気の中で自分の答えをアウトプットできるって、ビジネスでも強い武器になると思う。
(印象派のモネとかもビジネスマンとして優秀だったという話もある)

僕が高校3年の頃、受験対策で描いた白菜とみかん。冬のモチーフだから試験が近い時期か。

美大出身者が社会に出て、久しぶりに会ったりすると「絵描いてる?」ってお互いに聞くことがよくあるんだけどキャンバスに絵の具を使って描く作品だけが『絵』じゃないって思う。
表現方法って無限にあるから、この社会の中で自分の表現を追求しながら、さらに、ちゃんと収入も得ていくことはぜんぜん難しいことじゃないはず。

もちろん、いわゆる『芸術家』に通じる道もちゃんと開かれていて、そっちを目指してきちんと努力してれば、高い確率でその世界に行くことはできるようになってる。

だから、一応、ブルーピリオドを観て芸大受験をしようかなと思った人がいたら、その辺りはそんなに心配しなくて大丈夫だよ。って伝えたい。


僕が高校3年の頃、受験対策で描いたキャベツ。さっきの新聞に比べて新聞の表現がちょっと良くなってる。それにしても記事の内容が怖い。

芸大だろうと美大だろうと、東大でも、早慶でも、MARCHでも、『この大学に進学したら将来安泰』なんてないし、高卒でも中卒でも成功する人は成功するよね。

映画では、主人公はちゃんと「ありがとう」が言える人だったから、そこは本当にすごい。

まぁ、、、結局のところ一番大事なのは、ちゃんと周りの人たちに感謝できるかどうかだと思う。アート業界でも何業界でもそれは一緒だよね。
ちゃんと「ありがとう」「ごめんね」が言えない人は東大卒だろうと周りから人が離れてっちゃうだろうし。

自分が好きなことを追求していく途中でも、心配してくれる人、応援してくれる人、支えてくれる人はいつもいてくれる。

僕も、ちゃんとみんなにありがとうを言わないとなー。

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