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スネークオペレーター〜特別諜報捜査官〜#19

前回までのあらすじ
北朝鮮諜報員の画策で、舞浜にあるハッピースターパーク爆破攻撃の計画を阻止するために迎撃ミサイルを搭載したトレーラーで、東京ゲートブリッジからレーダーとAIを駆使して無事回避する事ができた。暴露系ユーチューバーナンシーの配信により負傷者ひとりも出る事なく計画は終わったが、ナンシーは配信で、3年前指名手配なる前から実は日本に居た事を告白した。


翌日、昼過ぎにエリー様の号令でアルとヤスはミーティングルームに集められた。
ミミも隅っこで聞いてて良いという許可をいただいたのでソファーの隅っこで座って聞いていた。皆んなうっすら赤い顔をしていた。
特にアルは心ここにあらずのような目をしていた。エリー様はファンデーションで隠せるからいつもと変わらずな感じに見えた。エリー様が

「昨日は皆さん、ご苦労様でした。ここで本日はお客様方が、昨日の活躍を称えていらっしゃって、是非お礼を言いたいと、いらしてくださってます・・。では、どうぞ。」

入り口から斉藤法務大臣と浜田防衛大臣がいらたいていた。
斉藤大臣から特別諜報捜査隊に感謝状と記念品を同じく浜田大臣からも感謝状と記念品を頂いた。浜田防衛大臣が

「ミーティングルームも広くて素晴らしいが他の通信指令室、諜報情報室と我が防衛省なみの機能ですな。」

斉藤法務大臣も

「素晴らしい、どこからどう入って来たかも忘れてしまったくらいで、私らや、SPまで外で待たされて、女性に案内され竜宮城へ来てるみたいだ。」

浜田防衛大臣が

「改めて、昨日は実に素晴らしい迎撃と迅速な対応、防衛省、また法務省、および政府を代表して御礼を申し上げます。」

エリー様、アル、ヤスと3人だが、かしこまって3人揃って

「ありがとうございます!」

浜田大臣がすぐミミのことを見付けて

「あら、今井ミミさんもいらっしゃったのですね。今じゃ、時の人。昨日は一日中テレビに出てらっしゃった。大変でしたねー。」

ネネが

「ありがとうございます。でも、テレビに出てたのは録画ですから疲れてはいません。ただ今日は夜からドラマの撮影なんで先生たちみたいにSPがいるかも・・・。」

とミミが言うと皆んな大笑いして、穏やかな雰囲気になった。斉藤法務大臣が

「内藤さん、あなたは反社なのに私のところに諜報捜査官での推薦があった時は、私は良いが、本人が世間から叩かれるかもなぁ〜と今でも心配していますがどうですか?色々叩かれていませんか?」

ヤスが

「ご心配ありがとうございます。昨日まではミミの記者会見で私の顔バレ程度でしたが、昨日あれから外に出てませんので世間の反応はどうか少し気になりますね。」

浜田大臣も

「うーん、私も同感で反社の連中が何か仕掛けてくるとかあるかも気になります。しかも、例の大抗争の終結現場にもいたらしいし。気をつけて下さいね。私たちもあなたを選んだ以上は最大の力を持ってお守りいたします。でも昨日の作業を見ていたらウチの特殊部隊と何の変わりもない武器捌きでした。」

ヤスが

「大臣もありがとうございます。たまたまです。必死でしたから元反社の件も私なりに色々考えてます。まず、その組織とつるむ他国の諜報員、いわゆるスパイたちを制圧するのが仕事ですから。本日はわざわざお礼に来ていただきありがとうございます。」

とヤスが締め括った。アルはあまりこう言うの苦手と知っていたので・・。
斉藤大臣が終盤に

「今後の動きですが、当然守秘義務で言えないと思いますが、開示できる情報があったら、お教えていただければ助かるのですが、エリーキャップどうでしょう。」

エリー様はドキッとして

「えっ、はい、ある程度の長期的な作戦はありますが、短期的な作戦は今のところございません。追って参防本部もしくは政府の本部に報告する所存です。よろしくお願い申し上げます。」

浜田大臣は、

「今回は、日本がちゃんと北朝鮮のミサイルを迎撃できるということを見せしめできて大変喜ばしい。政府の信頼回復に繋がった。ありがとう!」

エリー様が、

「本日は、わざわざお越しいただいてありがとうございました。」

とお辞儀をして、女性アテンド係2人に出口はこちらですと案内させた。扉が閉じてエリー様が

「色々他の話とか出て、これもあれも頼みそうな勢い。」

ミミが

「政府の人たちってあんな感じなんだぁ。日本大丈夫ってナンシーも言ってたから信じちゃう」

と笑った。ヤスが

「アル、昨日の報告書を書きながら思ったけど、中井とネネこと根本京子、この2人は捕まらないと黄と宗はどうせ捕まえても強制送還だからなぁ。中井はGPSで捕まえるのは簡単としてもネネ確保の提案は何かある?」

とヤスがあと片付けの続きを聞く。アルは、

「昨日のドローン3機ともどうせネネが見えるところから操縦してただろうから、言ったらネネの罪は一番デカいよな。北朝鮮の野郎たちは、国に逃げちゃうから。それともネネも国外脱出するかなぁ〜。あの3人手配掛けといてください。エリーキャップ!」

エリー様が

「そんなのすぐ顔認証からは指紋、パスポート全て手配済みよ。」

ヤスは、

「俺はあいつら揃ってナンシーんとこ居ると思うな。昨日のパケット基地湾岸地区は転送のダミーで今日はあいつらの追跡調査します。」

アルは、

「転送何ヶ所も使いやがるから、総動員かけてやるか?」

ヤスが

「じゃー、俺がDM送るから逆探知するより直接会った方が良いね。少々拉致られても想定内でしょ?またアルと2人で拉致ってもらいに行こうよ。アル。」

アルも

「賛成!」

「2人とも報告書全部書いてからにしてね。今日じゃなく明日とか。とにかく報告書、顛末書、弾玉、沢山使ったから書くのいっぱいよ。」

「はーい。」

とアルとヤスは言った。

〈第十六章〉

東京新宿の副都心、日本生命のビルやヒルトンホテル、センチュリーハイアットリージェンシーなど高層ビルがひしめくところに京王プラザホテルがある。
もちろん5つ星ホテルである。そこにアルフレッドのベンツゲレンデが車寄せにつける。
白い手袋で助手席を空けていらっしゃいませ!とボーイが誘う。そのまま2つの自動ドアをくぐる。ヤスこと内藤靖。
今日はイタリア製のスーツでキメている。靴もお気に入りのフェラガモの高級品だ。途中左に曲がるとエレベーターの区がある。
1404が今日のナンシーとの約束だ。武装はしているが、使うつもりは無いので入室したらテーブルに置こうと思う。何故なら今日は2人きりで会う約束だ。
14階でエレベーターが止まる。従業員も乗っていたので、会釈される。
1404の部屋は確かに角部屋だったと思う。京王プラザだと影像が出てしまったらすぐバレてしまう。ここ何十年も内装は変わっていない。ノックするとすぐ反応があり

「はい!」

と低い声がする。ヤツなりに声を替えているつもりだろう。ガチャっと扉が空く。一人というところを確かめて中へ誘う。

「初めまして、内藤さん。南谷と申します。」

南谷?あっ、そうか。ナンシーはハンドルネームで本名は南谷だった。

「こちらこそ初めまして。やっぱ黒いですね。」

とヤスがナンシーに言うと

「そうなんです。ほっとくと白くなるんで、ここ3年あれで焼いてます。」

と言って全身がスポッと入る日焼けマシーンがある。ヤスは言う。

「この前の配信で日本に居るって宣言したから、もう黒い必要ないでしょう?」

と笑いながら言うとナンシーは

「そうなんですか。なんかルーティーンになってしまったとうか、元々黒いんです。」

「ナンシーさん、お話する前にすみません。2人きりなんであれなんですが、盗聴とか盗撮はまずいんでチェックさせてもらいます。あの〜、もしそのつもりで仕掛けてあるのなら自ら出すなり外すなりしてください。私に見付かるより信用度が違います。」

とヤスが言うとナンシーが

「うわ〜っ、さすが内藤さん、すみません。では先に謝っておきます。」

と言いながらスタッフを呼んで、4箇所くらい取り外させた。ヤスが

「素直にありがとうございます。では私も・・。」

と脇下のホルスターから自動拳銃コルトカバメントをテーブルにドンと載せる。そしてヤスが

「これで一対一と言うもんです。」

と言いつつ、ナンシーはまだ信用出来ないので靴のかかとに入るジャミング装置のスイッチを入れる。スマホが圏外になった。多分別室の隠しカメラも砂の嵐だ。ナンシーが

「内藤さん、もうここで降参です。」

ヤスが

「このぐらいは普通ですよ。本当なら盗聴検索装置で1つ見付けたら足1発ぐらい弾きますから。」

ナンシーは

「内藤さんはやっぱ男前ですなぁ〜。しかしこの前は凄かったですね。あんなの日本で見たことなかった。」

と一息でいうとヤスも

「あんなん俺だって初めてですよ。マニュアルはあって少しは勉強しましたけど、さぁこれ乗って逃げろってヘリコプターを操縦するぐらい怖かったですよ。でも実際ヘリは何回か操縦したことあるけど・・・。まぁそれぐらい怖いというか皆んな命かかってましたからね、もう2度とごめんですよ。」

ナンシーが

「実に素晴らしかった。しかもICBM迎撃しましたからね。日本の英雄ですよ。」

ヤスが

「たまたまですよ。ナンシーさんも先に情報仕入れて皆んな逃したら、それこそ英雄じゃないっすか!」

と言ったそのとき、

ドカーン!ドカーン!

と2回耳が破れるほどの大きさで、ヤスの体は壁に叩きつけられ、ナンシーは砂ぼこりの中に埋まったのか消えて部屋の中はめちゃくちゃでヤスは多分足の骨を折った可能性がある。

「ナンシー大丈夫か?!」

と叫ぶと

「内藤さんは?私はどうもコンクリートで頭を打っているみたいです。」

カーテンの窓が風で揺れていたところから外を見たら、ドローンが一機飛んでいるのが見えた。俺のガンを早く見付けなければと探した。
匍匐前進で探していると、ガラステーブルが割れた下に落ちてあった。ガンを取るのにガラスを慌ててのけたら手を切った。
そんなのどうでも良い。今なら射程距離なんで、見えないところから狙って続けて3発ともドローンに命中して墜落していく。ナンシーが

「俺、警察来たらまずいんで、とりあえず退室していいですか?」

と言う。ヤスが考えたが、まだナンシーは使えるので、OKを出した。俺も足を引きずりながら状況を見た。
何やら、角部屋で外からも分かりやすいところなので、手動でドローンを飛ばして小型爆弾をドローンごと体当たりで爆発させたのだと思う。窓ガラスから飛び込んで爆発して2機目もと思ったところで撃ち落とされたのだろう。1機目もと思ったところで撃ち落とされたのでしょう。1機目もジャミングが効いていたので手動でヤスの自宅みたいにはいかなかったようだ。アルが来た。

「こりゃあ、ひでえや。おっ、ヤス足が曲がってるぞ!」

って言って、その辺の木切れを持って来て

「少し痛いぞ。我慢してくれ、今やっとかないと骨動かなくなるから。」

と言いつつ、グイッと元の位置に戻す。119に電話した。ナンシーも怪我したはずだけど、ひとまず体を交わすと言ってた。

「北とネネの野郎だな。」

とアルが言う。
ヤスは右足のスネあたり骨折。他はあちこちコンクリートの破片で傷だらけだ。顔は大丈夫だが、あばらが少し痛いので、レントゲン撮らないと分からない。

「ちくしょー!何しに来たんだ!ナンシーもやられたからナンシーの作戦じゃないな。ナンシーと北はもう切れたと見た。そしたら、中井のルートからネネを探さないと。」

アルが

「あいつは、カメラとGPSまだ気づいてないから大丈夫だけど。ヤスは足が治るまで時間かかるな。」

アルがさっきヤスが撃墜したドローン爆弾、まだ積んだままだったみたいだよ。今は、コントロールできないよう起爆装置外したらしいが。

「ナンシーは、話してもらいたく無いことがあるんだな。まだなんかあるんだよ、きっと。」

アルが

「今から病院でレントゲン撮って骨折したとこもう1回切って綺麗に元に戻して縫って、ギブスして1ヶ月弱は基地療養です。病院でもいいけど、またトラブルあると困るから。ミミちゃんには電話する?ヤスがする?」

「今、電話すると病院まで来そうだから、パニックにならないように基地に着いてからしよう。」

アルがスマホを見せた。今井ミミ着信ってなっている。ヤスも自分のスマホを見たら、着信の嵐だ。ヤスが

「俺、詳しく話せそうにないんで、アル出て」

と言うとちょうど救急隊がストレッチャーでヤスを乗せて下に下がる。所轄の警察が来て、ビックリして敬礼する。

「詳しくは病院で話す。」

と警官らには言った。アルはミミの電話取って話していた。パニックになってる様子

「えっ、今そんでどこなの?で病院どこ向かうの?」

ミミはまだ病院決まってないのに聞く。

「ヤスは大丈夫なの?意識は?」

とパニック。ヤスが少し代わってとアルのスマホを取った。

「ミミ、大丈夫だから。また連絡するよ。病院来たらパニックなるから止めてね。それで、今どこ?」

ミミは

「本当に大丈夫なの?今、調布の東映スタジオ。撮影終わったから行きたい、ダメ?変装して行くから・・・、ね?」

救急車に入れられアルに銀座、西新橋の慈恵医大病院だって、スマホを渡し救急車を出発した。アルがミミに

「じゃー、分かんないように変装して来て。西新橋の慈恵医大病院らしい。ここと基地の中間地点でちょうどいいや。とりあえず、あそこは特別室が21階にあるから、入院するならそこか基地かだけど、顔さされるからやっぱ基地かな。とりあえず、今から少し手術しなきゃだから退院させるには説明して、執刀した医師に許可もらわないとなんだ。ちょとと時間かかるけど、慈恵医大なら人目につかないからいいかな。」

するとミミが、泣き声で

「えーっ、手術しなきゃいけない大怪我?すぐ行きます。」

アルが何か言おうとしたら電話切れた。アルも慈恵医大の救急外来に向かった。

〈第十七章〉

駐車場は、地下だった。建て替えてまだ2〜3年しか経ってない。
レントゲンは2階だった。看護師さんが車椅子でヤスを押して次は、こことか案内していた。大した怪我じゃない扱いだった。看護師さんがお連れ様ですか?と言われてので、アルが

「はい!」

と答えたら、診察ファイル渡され、

「ここでレントゲンの先生に呼ばれますから、レントゲン撮って次は外で4階4cに向かってください。私はこれで失礼します。先々の医師に従ってください。」

とアルもその辺の椅子に座ってレントゲンの部屋が沢山あるところで、待つ。診察ファイルには〝45〟と書かれてある。すると、

「45番さん、お待たせしました。」

と医師が呼ぶ。アルが車椅子で連れて行くと。

「お連れさんも一緒にどうぞ。お伝い必要ですから。」

と言われ、レントゲン室に入る。先生が

「今、どこが痛いですか?」

と聞かれ、ヤスは

「体中痛いですよ。」

と先生に言うと、MRIみたいなベットに

「じゃあ、ここへ寝てください。」

と言われたので、アルに手伝ってもらって、そのベットに寝た。ベルトとか金属類は取り上げられた。先生が

「動かないでくださいね。全身スキャンしますから。」

と言われてアルが見ていた。下から順にスキャンしていく。

「はい、終わりです。じゃこのファイル持って4階4cカウンターにこれ出してください。」

と言われたので、アルは車椅子を押してエレベーターを2F上がり4階の4cカウンターにファイルを出す。
多分ファイルが赤いので救急と分かるはずだ。すぐ45番さんこちらへ!と呼ばれた。看護師がニヤニヤしている。
こりゃあバレてると思った。車椅子を押して4cー12の部屋へ入る。ここは女医先生が多い病院だ。女医は、

「あーっ、内藤さん足は今、こんなです。折れてるところを元に戻していただいたので、手術しやすいですが、0.5cmほど離れてます。それと肋骨2箇所折れてます。息をすると痛いでしょう?では、足だけ手術ですね。肋骨はギブスしましょう。では、やりますか?」

と医師は言ってアルの顔を見る。

「二人ともどっかで見たことあるな〜と思ったら、日本を救ったヒーローさんたちじゃない。また、お暴れになったの?」

と笑う。

「アルフレッドさんでしたっけ?手術見ます?」

アルは

「遠慮しておきます。」

と言うと医師が

「では、退室お願いします。」

奥が手術室のようだ。名前まで知られていた。一時間ぐらいで終わると言われた。最近の最先端技術を見てみたい気もするがヤスのだからなぁ。
ヤスは肋骨も骨折しているとのことで部分麻酔ではなく、全身麻酔すると言っていた。途中で看護師が出て来て

「今日は動かさないで、入院という形になります。3日は連れて帰れまえん。安静にできるところがあっても最低3日はこちらへ居てください。もちろんその後も安静になりますが・・。」

アルが

「あっ、そうですか?分かりました。」

看護師が、入院手続きして来てください。手術済んだら、そちらへ運びますからと言われたので、1階の入院手続きのところへ行った。
部屋タイプを入り口で選ぶ。21階の特室はコンシェルジュ付きだそうだ。1泊16万円。他にも個室はあるが、3日なので1番良い部屋にした。
入り口で特室の紙を持った時点であからさまに態度が違う。事務的だった口調がコンシェルジュに変身した。

「それでは、ファイルをいただきます。手術終わりましたら21階特室の方へご案内しますので、お連れ様は先に部屋でお待ちください。」

とカードを3枚渡され3名なら自由に出入りできるらしいが、カードがないと21階のエレベーターのボタンも押せないし21階のエレベーター開いたらコンシェルジュが2人カウンターに座っていたのが立って挨拶する。一人が出て来て

「こちらです。」

と案内してくれた。扉はスライド式で中に入ると右にL字型になって奥の部屋が入院ベットだ。手前の部屋はソファがあってミーティングできる部屋らしい。目の前には東京タワーが綺麗に見える。
2部屋とも大画面テレビがある。高級ホテルだ。
21階のコンシェルジュが入り口にいるカウンターの左側奥にも待ち合わせのソファが並んでいてそこからも東京タワーが見える。
ミミちゃんに『今、手術中だから終わったら21階に来て入り口で待っている』と送った。了解と返信があった。
ヤスが先かミミちゃんが先かと思ってコンシェルジュのところで待っていたら、コンシェルジュ急に立ち上がって、キャって言った。ミミちゃんだった。コンシェルジュもまさか来るとは知ってか知らずか本物を見ると声が出るわな。アルが

「ミミちゃんって声を掛けてるのに。」

コンシェルジュと話していた。そして、コンシェルジュが2人でミミを連れて来た。

「アルさんどうなの?心配でバクバク言ってた心臓。」

とミミが心配そうに言ったらアルが

「思ったより元気だって、今、麻酔で手術終わったら連れてくるって!」

「みたいだね。今それコンシェルジュの人に聞いた。」

コンシェルジュめ、ミミちゃんと話したかっただけじゃん!って思った。突然ミミが外の窓を見て

「何これ?すごい東京タワー綺麗!」

ってミミが言うとコンシェルジュが

「この病院の自慢です!写真撮りましょうか?」

ってこれ写真を一緒に撮ってもらうパターンだ。だんだん分かって来た。ミミも結局自分から撮ろう、撮ろう!ってこれも慣れてるわ。
そうしているうちにストレッチャーが運ばれて来た。麻酔は切れていて、ミミを見た途端、ヤスが

「ミミ、来てたのか。良く来てくれたよ。」

ミミが

「私も何年芸能人やってると思ってるの?こんなのチョチョイのチョイで辿り着いたよ。」

へ〜ぇ、途中バレなかったの?

「いやいや、そりゃバレますよ。声を掛けちゃいけないオーラを出すの。」

ってミミが言うと、どんなオーラ?ってヤスが言う

「帽子かぶってこんな顔して、目を瞑って」

って言いながら真似する。アルがゲラゲラ笑い、コンシェルジュもまだ居たのでゲラゲラ笑った。一人だけ痛ぇー!って言った。

「ミミ、痛い。面白すぎ・・・。声掛けられないわそれ・・いたい。」

「あっ、そうだヤス。下にまた報道陣やマスコミいっぱい居た?私そこをスーって通り抜けて全く知らない人に誰が来てんの?とか話した。新宿のホテル。ニュースになってたからじゃない?」

そんな話が始まるとコンシェルジュが

「あっ、何かありましたら、このボタンがコンシェルジュで、こっちが毎日看護師が変わりますが担当者が来ますので。では、これにて私どもは失礼します。」

と矢﨑社長とこの事務員さんキエと同じ角度で挨拶した。コンシェルジュが出て行ってすぐヤスが

「おい、ここ大丈夫かぁ、21階で角部屋だよ?しかも、バレてるし・・・。」

アルが

「看護師は3日は最低動かさないでと言っていたけど、医師に事情を話して、明日には基地に移ろう。なんか、危なそうな気がするなぁ〜。」

ミミが

「そうしようそうしよう。アルの車バレてないならアルの車。地下だから楽勝だよ。なんだったら車替えて来る?」

とミミが言うが、ミミは動かない方がいい。アルが突然、

「良いこと思いついた!いるじゃんあと1人。」

とヤスとミミの顔を見る。ミミが

「いますねぇ〜!じゃなく、いらっしゃいますねぇ!」

そう決まったら、アルが電話を掛けてみる。

「どうしたの?アルフレッド。」

とエリー様。アルは

「あの〜、あの〜、実は。」

とじれったい!

「アルフレッド、私の出番なんでしょ?今から迎えに行けばいいの?」

とエリー様から言われ、

「いえ、明日です。今日は医師を説得するのは無理です。明日の午後から駐車場にある一番でかい車だとベンツのマイバッハがあります。慈恵医大の地下駐車場までお願いできますか?」

「わかったわ、アルフレッド。基地出る時電話入るから着いたら隊のインカムで呼ぶわ。」

エリー様は、いつもよりかっこよく感じた。今のところウチの隊で顔バレしてないのはエリー様だけだから・・・。本当は、エリー様も承認欲求の強い人だけどね。

(つづく)

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