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ファイナンスについて

ファインナンスとは
今回の記事では、ファイナンスという少し耳かきをしたくなるようなテーマについて考えてみたいと思います。ファイナンスって聞くと、なんだか難しいイメージがありますよね。でも、住宅ローンや車のローンなど、私たちの生活には意外と身近な存在なんです。ファイナンスとはざっくり言うと、資金調達です。家を買ったり、事業を始めたりするときに、お金が必要ですよね。そのお金をどこから借りるか、調達するかがファイナンスです(もちろん金融機関や学術的な定義はありますが、今回はとりあえずこんなもんかと思って頂ければと思います)。

国際協力の文脈におけるファイナンスとは
さて、私は国際協力周りの仕事をしているので、折角ですので国際協力という文脈におけるファイナンスについて考えてみたいと思います。国際協力のファイナンスでは、主にエクイティ(出資金)、グラント(贈与)、そしてローン(貸与)の3つのスキームがあります。

エクイティファイナンスは、資金提供者が事業や企業の経営に参画する権利を持つ形態です。例えば、最近ではNISAが注目されており、個別株を購入する人も多いかと思いますが、これもエクイティファイナンスの一形態で購入者には配当金が年に2回ほど振り込まれますよね、あと毎年投資先から株主総会に招待されることがあるかと思います。なのでファイナンサーは企業の経営に参加し、企業の成長や配当、株価の上昇を通じてリターンを得ることが期待されます。

次に、グラントです。グラントは国際協力や公的なファイナンスに特有の手法で、大きな特徴は返済が不要なことです。言い換えると、お年玉のようなものです。嬉しいですよね。ただ、お年玉には一定の制約条件があり(残念ながら年に一度しかもらえないこと、残念ながら金額が限られいていること、残念ながら用途が制限されること、残念ながら年齢制限があること等々、、、)、同様にグラントもリスクの高いプロジェクトや社会的な事業に対して提供され、金額も限られおり、また対象は主に途上国の中でも特に貧困な国が対象となるのが一般的です。

そして、ローンです。皆さんもよくご存じの形態で、資金の返済が必要です。住宅ローンや車のローン、奨学金などがその例です。ローンを提供する金融機関は、一般に金利を通じて利益を得ます。投資先が倒産した際にはエクイティ提供者よりも先に資金回収が可能なため、エクイティよりもリスクは低いですが、その代わりにリターンも低くなる傾向があります。そのため、エクイティファイナンスはハイリスク・ハイリターン、ローンはローリスク・ローリターンと言われることがあります。ちなみにこちらのローンですが、国際協力の文脈では、多くの国際機関が供与国に対してConcessional Loanを提供しています。これらのローンは一般的な商業ローン(メガバンク3社)と比較して金利が非常に低く、供与期間も長い特徴があります。なぜ国際機関がこれらの資金供与が可能なのかについては、様々な理由が考えられますが(道徳的な観点、外交的な観点等々)、一般的にはローン契約の際に政府から返済保証が提供されることが挙げられます。これにより、供与国が返済不能に陥った場合でも資金返済が優先的に確保されるため、国際機関が資金を提供するリスクがその他金融機関に比べ低減されます。

さて、今回の記事では何となくの概念的な内容を記事として書かせて頂きましたが、次回以降は各ファイナンス形態についてもう少し突っ込んだ話に触れることができればと思います。

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