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読みたいと言ってくれたことへの感謝

「知者不言、言者不知」
(知る者は言わず、言う者は知らず)

老子

喋ることへの抵抗


他にも「沈黙は金」だとか「愚者は教えたがり賢者は学びたがる」等々、喋らない方が吉とされる名言は多い。

これはあくまで場面での話であるが、現実でも大したことない自慢話ばかりする人間は俺が最も嫌いな部類である。

喋ること(書くこと)=自己開示=愚かさを見せつけている
こんなイメージだw

これらの格言に引っ張られているのも事実だし、現実世界で喋りっぱなしなんて論外だと心得ている。

だからこそ、一方的に届ける文章は気楽であり気が重い。

まあこうしてがっつり書いている時点で、欲求には勝てなかったということだ。存分に笑って貰ってかまわない。



みんなは年を取るにつれて口数は増えたか?減ったか?

俺は減った、中学・高校の頃は相手が口を挟もうとすると「今俺が喋っている、黙ってろ」とまでいうレベルでずーーーと喋っていた。(みんなごめん)

大学に入り、口数がめっきり減った。みんなの話題についていけないからだ。乃木坂とかのアイドルの話、テレビに出る芸能人の話。インスタ映えする観光地・恋愛。

アニメと漫画で生きてきた俺には到底わからない世界だった、開口するとボロが出た。

話題についていきたいから調べたこともあったが、覚えられなかった。興味が無いものはとことん駄目な気質なのだ。

上記のことから処世術として口数が減った、家庭内でも反映されて心配されるレベルだった。

口数が減った理由を研究しているうちに「社会との調和」がキーワードになり、納得できる理由があった。

コミュニケーションは双方の意思疎通無くしてありえない、

口数が減ったということはその分相手の話を聞くことができるようになった。(聞くことで社会に適合できると本能で分かった)というものだった。

納得した俺はこのまま進むことにした、お得なことに友人も増えた。

今まで語り部だった奴が聞き手に回るのだから、語り部が異常に多いことに気が付く。

この文章を読んでくれている君たちはとても貴重で珍しい(体感2割くらい?)聞き手なのだ。

そして同時に落胆する。語り部たちの話が異常につまらないのだ、おもしろいのは体感1割くらい。

上手い話・笑える話という意味ではない。どこにいっても自慢・悩み相談。

俺は今まで残りの9割に属していたかもしれないんのだと思うとゾッとした。

もちろん会話が全て極端ではないことも知っている。だが大半の語り部たちは、相手の話を聞いていない。

今か今かと自分が気持ちよく、自慰行為がごとく絶頂するタイミングを待っている。

「え、お前結構喋ってね?」

ご名答である、俺は大学2年あたりから密に会話する人間を絞り始めた。二種類の人間だ。

  • 会話のキャッチボールができる(俺は会話のターンと呼んでいる)。コミュニケーションを理解して譲り合いができる者

  • 聞き専

まあ元々相性のいい人間は聞き専だったので当たり前である。語り部には聞き手が必要なのだ。(ちなみに聞き専の男は特にモテる、メスが9.9割語り部だからである)

結構喋っている印象かもしれないが高校生の頃に比べたら半分くらいだと思う。うるさい女並みだと考えてくれれば問題ない。

しかしここまで喋らないのが持続したのは理由がある。聞き専の奴は思慮深いから話が面白いのだ、自然と質問するからストラックアウトからキャッチボールの構図になる。

ちなみに一方的に喋ってオナっている構図をストラックアウトと勝手に呼んでいる。

俺は上記のアホみたいな経緯から、「聞きたい」という言葉に耳を疑うようになっている。みんな喋って気持ちよくなりなくないの?自分の考えをさらけ出して俺ツエーしたくないの????

とまあこのくらい驚く。ここで謙遜してみてもいいのだが、お言葉に甘えさせてもらう。

「聞きたい」の一言でこれだけ書けちゃうくらいに、俺達語り部にはありがたいお言葉なのだ。

感謝を。






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