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不思議

夫の残した膨大なデータの中の
更に膨大に分けられたフォルダの中の
「執筆記録」の中に残された
私と知り合った頃に交わしたメール

あれ…こんなところに残ってる。

私とのやり取りの物は
他のフォルダに整理されているのに
数件だけ取り出してあって
きっと特別な気持ちがあったのが分かる。

ラブラブなメール
とても懐かしい

私からの長いメール
最後に
「愛しているわ」
なんて恥ずかしげも無く書いている。

夫からは
自分が生きてきて手に入れたものは
みんな伝えてあげたい
何もいらない
ただそばにいてくれたらいい

そう書いてある。

ひとりニヤける。

再婚してからずっと、
この時のままの想いを私に伝えてくれた夫。

夫の手で、
特別にフォルダに移されたこのメールは、
20年前の3月。
夫の命日と同じ日にち。

愛しているわ…と書いた20年後の同じ日。
私は最愛の夫を亡くした。

とても不思議な感じがする。

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