多くの偉人の例で、辛い出来事に遭遇し、孤独な世界に陥って自分と向き合い、愛の重要さに気付き、他人に「○○してあげる」ことにより、自分が生かされることを悟っている。
 
たとえば、2021年4月95歳で逝去した橋田壽賀子さんは、僕がよく見た「渡る世間は鬼ばかり」などのテレビ番組の人気脚本家。日経の私の履歴書やPHPプレミアム2022年11月増刊号に、その人柄が掲載されている。

その人生の粗筋は、仕事に自信がなくて、安定した給料が欲しくて、4歳年下のご主人に求婚して嫁にもらっていただいた。姑と揉めた経験などを通して、実際の結婚生活を学んだことで作品が増えた。といっている。

夫には、「何かしてあげたい」という気持ちで、「お疲れ様でした」「夕食は召し上がりますか」と、優しい言葉と敬語で話しかけた。
主導権は、妻が握っていることを忘れないという。
夫が、肺がんを煩い享年60歳でなくなるのを看取った。寂しくてたまらなくなることがあると。
 
アン・サリバン先生は、ヘレン・ケラーの家庭教師。子ども時代は、筆舌に尽くしがたい苦しい体験をしている。母は8歳の時に病気で亡くなり、父は酒飲みで働かないので、弟と共に救貧院に入れられた。弟は間もなく病気で亡くなった。

サリバンは、半失明状態であったが、勉強が大好きで懇願して盲学校のパーキンズ学院へ14歳で入学できた。入学当初は、アルファトベットも自分の名前さえ書けず、食事のマナーも知らず、5〜6歳年下の同級生から馬鹿にされていた。
夏休みの間、生徒は家に帰るが、アンは一人寂しく寮に残っていた。長い孤独があったと思う。

アルバイトしたお金で目の手術を2回して見えるようになり、成績が上がり、卒業のときは代表として2,000人の前でスピーチした。
アンは、手紙で知ったヘレンの境遇に同情して、ほかの仕事を断って家庭教師の仕事を引き受けた。

ヘレンは自伝で、先生から「……愛が、すべてのものに注がれるとき、そのやさしいい喜びは、感じることができるものよ。愛がなければ、幸せもないし、遊びたくもなくなってしまうわ……」と教えられたことがあったと綴っている。
 
僕も偉人を真似て、愛を注ぐ思いで「○○してあげる」ことをしようとしている。

僕が、愛の重要性を教わったのはゲーテだった。


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